実家をリフォームして住む|必要な工事内容や費用相場、お金がない場合の対策まで解説
「しばらく空き家になっていた実家をリフォームして引っ越したい」「両親との同居に向け、実家をリフォームしたい」など、実家をリフォームして住みたい方は多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、実家のリフォームを検討されている方に向け、次のポイントに沿って解説しました。
・水回り一式+内装リフォームなどの部分的リフォームであれば、500〜1,000万円で行える場合があります。
・実家を親名義のままでリフォームすると、贈与税や住宅ローン控除に関する問題があるため注意しましょう。
リフォーム費用を抑える方法も解説しているので、ぜひ最後までごらんください。
実家のリフォームで必要となる工事内容
実家をリフォームする場合、必要となる主な工事内容は次のとおりです。
バリアフリー化
家族の誰もが過ごしやすい家とするためには、バリアフリーリフォームが欠かせません。
手すりを設置する、段差を解消する、トイレや浴室をバリアフリー仕様にするなど、高齢者の方や身体の不自由な方も過ごしやすくするための工事を行いましょう。
水回り設備の改修
トイレや浴室、キッチンなどの水回り設備は、水漏れや故障などを予防するためにも、定期的にリフォームする必要があります。
水回りの老朽化が進んでいる場合や、使い勝手が悪くなっている場合には、優先して改修工事を行いましょう。
費用を少しでも抑えたい場合は、トイレ・浴室・洗面室・キッチンの水回り4点セットをまとめてリフォームすることをおすすめします。
水回りのリフォームに関しては、こちらの記事も参考になさってください。
>トイレリノベーション事例に学ぶ|おしゃれで快適な空間づくりのポイント
耐震補強工事
実家の築年数が古い場合、耐震補強工事も必要となります。
劣化した土台や柱の修復、筋交いや耐震パネルの施工や屋根の軽量化などを行い、万が一強い揺れが来た際にも倒壊しづらい家としましょう。
断熱リフォーム
実家の築年数が古く断熱性能が低い場合は、断熱リフォームによって快適な室内環境を叶えましょう。
二重窓の設置や高断熱サッシへの交換、天井や壁、床下への断熱材追加などを行うことで、ヒートショックの予防にもつながります。
内装リフォーム
古くなった内装のデザイン性を上げたい場合や、ライフスタイルや家族構成に合わせて間取り変更を行いたい場合は、内装リフォームも必要です。
しかし、壁で建物を支えている「2×4(ツーバイフォー)工法」の家の場合、間取り変更に制限が出るケースもあるため注意しましょう。
外装リフォーム
古くなった実家の外壁塗装やサイディングの張り替えが必要な場合、外装リフォームも行いましょう。
外観の美しさを改善するだけでなく、防水性や断熱性、耐久性のを向上させるためにも、屋根や外壁を補修しておくと安心です。
二世帯住宅化
実家をリフォームして両親と同居される場合、二世帯住宅化させるケースも少なくありません。
二世帯住宅には、個室以外すべての生活空間を共有する完全共有型や、玄関やリビングなどの一部の空間のみ共有する部分共有型、家の一階と二階、左右などで生活空間を分ける完全分離型の3つがあり、共有空間が少なくなるほどリフォーム費用は高くなるため注意しましょう。
実家のリフォームにかかる費用
内装・水回りの一新やバリアフリーリフォームなど、工事内容別にみる費用相場は次の通りです。
工事箇所 | 費用相場 |
壁紙の張り替え | 6〜30万円 |
フローリング張り替え | 15〜60万円 |
キッチンの交換(I型) | 40〜80万円 |
浴室交換 | 50~100万円 |
トイレ交換 | 20〜100万円 |
洗面台交換 | 20〜50万円 |
和室から洋室への改装 | 50〜200万円 |
和室から洋室(バリアフリー仕様)への改装 | 70〜300万円 |
段差の解消(床のかさ上げ) | 8〜20万円 |
玄関の改装 | 20〜150万円 |
耐震補強(基礎からの工事) | 100〜200万円 |
上記はあくまでも目安であり、家の状態や導入する設備など、さまざまな要因で費用は異なるため注意しましょう。
実家のリフォームは500万〜1,000万円でも可能か
国土交通省のデータをもとに考えると、実家のリフォームは500〜1,000万円ほどでも行えます。
しかし、フルリフォーム/フルリノベーションの費用相場は500〜2,500万円程度のため、予算オーバーとなる可能性も少なくありません。
また、実家の二世帯住宅化にかかる費用は800〜2,500万円が目安なので、1,000万円以内では難しいケースが多いです。
予算が500〜1,000万円の場合、水回り一式+内装リフォームなどの部分的リフォームであれば問題ないと考えられます。
実家をリフォームするお金がない場合の対策方法
実家をリフォームして住みたいものの、資金が不足している場合、次の対策方法を検討してみましょう。
介護保険を利用する
手すりの設置や段差解消などのバリアフリーリフォームを行う場合、介護保険を利用することによって、改修費の9割相当額が支給されます(※)。
支給額の上限は、支給限度基準額(20万円)の9割にあたる(18万円)が上限です。
この制度を利用することで、仮にバリアフリーリフォームに20万円がかかった場合も、自己負担は2万円のみとなります。
要支援、要介護区分は問われませんが、ケアマネジャーへの相談や事前申請が必要なため注意しましょう。
補助金・助成金を使う
国や自治体が運営する補助金・助成金を活用することで、費用負担を軽減できます。
2025年度において、リフォーム費用について申請できる補助金は以下の通りです。
制度名 | 対象工事 | 補助額(上限) |
先進的窓リノベ2025事業 | 窓やドアの断熱改修 | 最大200万円/戸 |
子育てグリーン住宅支援事業 | 断熱・エコ住宅設備などの省エネ改修 バリアフリー工事 子育て対応工事 など |
最大60万円/戸 |
給湯省エネ2025事業 | エコキュートなどの高効率給湯器の設置 | 最大20万円/戸 |
各自治体のリフォーム助成金 | 耐震改修やバリアフリー工事など、各自治体によって異なる | 各自治体によって異なる |
省エネ住宅へのリフォームの場合は補助金を申請できる可能性が高いため、利用できるものがないか確認しておきましょう。
各補助金の詳細については、こちらの記事もご確認ください。
>先進的窓リノベ2025事業はいつから?対象工事や補助額を分かりやすく解説
>子育てグリーン支援事業のリフォーム補助金額は?条件や申請方法を解説
>既存住宅の断熱リフォーム支援事業の対象工事と補助金額|2025年度の公募スケジュールも
減税制度を利用する
リフォームを行った場合、「住宅ローン減税(増改築)」や「リフォーム促進税制」による控除が受けられる場合があります。
住宅ローン減税では、10年以上のローンを組んで増改築を行った場合、ローン残高の0.7%を所得税・住民税から10年間にわたって控除可能です(※1)。
リフォーム促進税制では、ローンの有無に関わらず所得税から60〜80万円を控除し、固定資産税の1/3〜2/3に該当する額を減額します(※2)。
対象となる工事内容は限られているため、減税制度を利用したい場合は詳細を確認しておきましょう。
※1,2 参照:国土交通省|リフォーム支援制度まるわかりガイド
売却して住み替える
実家をリフォームする費用を捻出できない場合、売却して資金を新居購入にあてることも可能です。
しかし、売却後の仮住まいの手配や、新居購入までのスケジュール調整なども必要となるため、専門家に相談した上で慎重に判断しましょう。
「実家をリフォームしたいけどお金がない」とお悩みの方は、こちらの記事も参考になさってください。
>実家をリフォームするお金がないときの対策|費用相場や考え方も解説
実家をリフォームする際の注意点
実家をリフォームする際には、建物の状態や贈与税、住宅ローン控除において注意が必要です。
建物の状態を厳重にチェックする
実家をリフォームする際は、建物の状態を厳重にチェックし、優先して改修すべき箇所はどこかもれなく確認しましょう。
外観はきれいな印象であっても、床下や壁の内部などの見えない部分では、シロアリによる食害や腐食が進んでいる場合もあります。
築年数が古い場合や、長年空き家だった場合にはとくに注意が必要なため、専門家によるホームインスペクション(住宅診断)を依頼しておくと安心です。
贈与税に注意する
実家の名義は親のままで子世帯がリフォームした場合、工事費用が110万円以上かかってしまうと、親への贈与に該当して贈与税が発生します。
多額の税金が発生するのを防ぐために、実家の名義変更や購入といった対策を取りましょう。
税金面に関して不安がある場合は、税理士などの専門家へ早めに相談しておくことをおすすめします。
住宅ローン控除が受けられない
実家が親名義のままで子世帯がリフォームする場合、ローンを組んでも住宅ローン控除を受けられません。
住宅ローン控除は、あくまでもマイホームの購入負担を軽減する制度で、自分が住んでいる家以外は適用されないためです。
ローンを組んで実家をリフォームしたい場合は、前もって名義変更を済ませておきましょう。
まとめ
実家をリフォームする場合は、家の状況にあわせてさまざまな工事を行う必要があります。
リフォーム内容によっては、介護保険や各種補助金、減税制度の対象となる場合もあるため、費用負担を抑えたい方は詳細を確認しておきましょう。
実家のリフォームにかかるお金について不安がある場合は、専門家に相談することもおすすめです。
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