新築or中古どっちを買うべき?費用・住宅ローン・税金などの違いを比較

新築or中古どっちを買うべき?費用・住宅ローン・税金などの違いを比較

マイホームの購入を検討する際、「新築にするか中古にするか」と迷う方は多いのではないでしょうか。

以前は新築信仰が根強く、マンションや一戸建てでも新築が人気でした。しかし、最近ではコストや地球環境への配慮から、中古住宅を選ぶ方が増えています。

とはいえ、中古住宅に対するネガティブな印象も残っており、どちらを選ぶべきか迷うのも無理はありません。

そこで今回は、新築と中古住宅について、メリット・デメリットや費用総額など、さまざまな視点からフラットに比較してみましょう。

このコラムのポイント
  • 中古住宅は新築よりも安く、リノベーションを加えても総額を抑えられる可能性が高いです。
  • 新築の方が住宅ローンの審査や控除で有利ですが、中古住宅は費用を抑えられる利点があります。
  • 新築は設備が最新なことや自由度が高い点が魅力ですが高価です。中古は費用を抑えやすく、立地の選択肢も多いですが、設備の古さが課題です。

 

新築・中古どっちを買う人が多い?

新築・中古住宅 新築と中古住宅を比較する際、ほかの人がどちらを選んでいるのか気になる方は多いでしょう。

一般社団法人不動産流通経営協会の調査によると、2022年の新築住宅着工数は85万9,529戸、中古住宅流通量は63万701戸です。

現時点では新築住宅を購入する人が多いですが、中古住宅を選ぶ人も年々増加しています。

一昔前までは「中古住宅は恥ずかしい」と思われがちでしたが、最近ではおしゃれにリノベーションする方が増え、マイホーム取得の選択肢として一般的になりつつあります。

参照:一般社団法人不動産流通経営協会 既存住宅流通量の地域別推計について

新築・中古住宅リフォームの費用総額の違い

新築・中古住宅の費用の違いのイメージ 新築か中古かを選ぶ際、費用総額は大きな判断基準の1つです。

ここでは、一戸建てとマンションそれぞれにおける、新築と中古の費用の違いを比較してみましょう。

一戸建て 中古の方が約500万円安い

一戸建ては、間取りの自由度が高い新築の注文住宅と、中古住宅のフルリノベーションの費用を比較します。

項目 平均費用
土地付注文住宅 4,694万円
中古一戸建て 2,704万円

出典:住宅金融支援機構「2022年度 フラット35利用者調査」

フラット35利用者調査によると、2022年度の平均費用は、土地付き注文住宅が4,694万円、中古一戸建てが2,704万円です。

土地と建物の価格だけを比較すると、中古一戸建ての方が1,990万円安いことがわかります。

中古市場で狙い目と言われることが多い築30年前後の一戸建てを想定した場合、内外装のフルリノベーション費用は約1,500万円が相場です。

リノベーション費用の内訳について詳しく知りたい方は、こちらのコラムをごらんください。

〈関連コラム〉

築30年の中古住宅をリフォームして何年住めるか?木造戸建て・マンションどっちが長く住める?  

 

中古一戸建ての平均費用とリノベーション費用を合計すると4,204万円で、新築注文住宅より約500万円安くなります。

さらに、中古住宅は価格帯が幅広く、リノベーション内容を調整することもできるため、費用をさらに抑えることも可能です。

マンション 中古の方が約700万円安い

マンションは、特に首都圏を中心に価格が高騰しており、新築・中古ともに高価格帯の物件が多い傾向にあります。

項目 平均費用
新築マンション 4,848万円
中古マンション 3,157万円

出典:住宅金融支援機構「2022年度 フラット35利用者調査」

2022年度の新築マンションの平均費用は4,848万円、中古マンションは3,157万円で、その差額は1,691万円です。

中古市場で多く見られる60㎡前後のマンションを新築同様にフルリノベーションする費用は、約1,000万円〜が相場です。

リノベーション費用の内訳について詳しく知りたい方は、こちらのコラムをごらんください。

〈関連コラム〉

マンション・フルリノベーションの費用相場・工期目安は? 

 

中古マンションの平均費用とリノベーション費用相場を合計すると4,157万円となり、新築マンションより約700万円安くなります。

また、相場より安い中古マンションを上手に選ぶことや、リノベーション内容を調整することで、さらに費用を抑えられる可能性もあります。

新築・中古の住宅ローンの違い

新築・中古住宅の住宅ローンのイメージ マイホームの取得において多くの方が利用する住宅ローンですが、新築と中古住宅のどちらでも利用できる金融商品は同じです。

ただし、審査のハードルや借入額、返済期間、金利などに違いがあります。以下でそれぞれのポイントを詳しく見ていきましょう。

審査のハードル

基本的には、新築と中古で審査基準は同じであり、どちらかが不利になるということはありません。しかし、中古住宅は新築より担保価値が低く見積もられるため、審査のハードルが高くなる傾向があります。

一戸建て・マンションのどちらでも、築年数が経つほど資産価値が低下し、担保価値が低く見積もられることがあります。これにより、中古住宅の審査のハードルが高くなる場合がある点に注意が必要です。

借入可能額&返済期間

前述したように、中古住宅は新築に比べて担保価値が低く見積もられるため、借入可能額や返済期間でやや不利になる可能性があります。

また、中古住宅の担保価値によっては、希望する借入額に届かない場合もあります。 借入期間についても、新築住宅の住宅ローン借入期間の上限は一般的に35年ですが、中古の場合は借入期間が短くなるケースが多いです。

ただし、中古住宅+リノベーションの方が費用総額を抑えやすいため、対策は可能です。

金利

原則として、新築と中古で住宅ローンの金利が変わることはありません。

金融機関ごとに変動・固定などのタイプそれぞれに金利が設定されており、基本的には同じです。

ただし、借入額や頭金の比率などにより金利が変動することがあるため、総費用によっては新築と中古で違いが出る可能性もあります。

住宅ローン控除

マイホーム取得後の税負担を軽減できる住宅ローン控除については、新築と中古住宅で金額や控除期間に違いがあります。 住宅ローン減税の概要について(令和6年度税制改正後) 引用:国土交通省「住宅ローン減税」

新築は借入限度額や控除期間が有利な傾向がありますが、中古住宅でも一定の控除が適用されます。このように新築と中古住宅では借入限度額と控除期間に差があり、減税額に差がつくことがあります。

中古住宅は新築に比べて借入限度額や控除期間が不利な部分がありますが、その分費用総額を抑えられるため、全体的なコストパフォーマンスは高いといえます。

新築・中古のメリット・デメリットまとめ

新築・中古住宅のメリット・デメリット 新築と中古の住宅にはそれぞれ独自のメリットとデメリットがあります。

最後に、これまでの内容を踏まえつつ、新築と中古住宅のメリットとデメリットを比較してみましょう。

新築住宅のメリット・デメリット

ここでは、新築住宅の主なメリットとデメリットを詳しく見ていきましょう。

新築住宅のメリット
  • 最新の設備や技術が導入されている
  • 住む前の傷や不具合がない
  • 設計や間取りを自由にカスタマイズできる
  • 新築保証やアフターサービスが充実している
新築住宅のデメリット
  • 購入価格が高い
  • 立地条件が限られることが多い
  • 入居までに時間がかかることがある
  • 購入後すぐに価値が下がることがある

 

資金に余裕があり、「新築に住みたい」という強い希望がある場合、新築住宅は理想的な選択肢となります。

しかし、価格の高さや購入後の価値下落などの点には注意が必要です。

中古住宅のメリット・デメリット

中古住宅の購入は、新築に比べて手頃な価格で理想の住まいを手に入れるための魅力的な選択肢です。

しかし、中古住宅にもデメリットはあるため、ここで確認しておきましょう。

中古住宅のメリット
  • 購入価格が新築よりも安い
  • リノベーションで自分好みにカスタマイズができる
  • 希望の立地条件に合った物件が見つかりやすい
  • すぐに入居できる物件が多い
  • 住宅ローンの借入額を抑えられる
中古住宅のデメリット
  • 設備や構造が古く、不具合が出やすい
  • リノベーション費用がかかる
  • 住宅ローンの審査が厳しくなることがある
  • 築年数により担保価値が低く見積もられることがある

 

費用を抑えて、こだわりのマイホームに住みたい場合、中古住宅をリノベーションするのがおすすめです。

中古住宅は価格の面でのメリットが大きく、理想の住まいを手に入れやすい選択肢と言えます。

まとめ

新築・中古住宅 新築住宅と中古住宅、それぞれにメリットとデメリットがあります。 新築は最新の設備や高い自由度が魅力ですが、購入価格が高くなる点がデメリットです。

一方、中古住宅は費用を抑えつつ自分好みにリノベーションできる点が魅力で、費用対効果に優れています。

住宅購入の際には、ご自身のライフスタイルやご予算に合わせて、どちらの選択が最適かをじっくり検討することが重要です。

新築・中古どちらを選んでも、それぞれの良さを活かしたマイホーム作りを目指しましょう。

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