“リノベーション向き”中古マンションを探す際の大切な「10」のポイント
今や、マイホームの選択肢として新築マンションと並ぶ中古マンションですが、理想通りにリノベーションできるのかどうかが気になる方も多いでしょう。
実際に、選ぶ物件によっては思い通りの間取りやデザインにできない可能性もあります。
そこで、今回は“リノベーション向き”の中古マンションを選ぶポイントについて、詳しく解説します。
今の家をリノベーションしたい方や、これから中古マンションの購入を検討する方は、ぜひ参考にしてください。
・リノベーション前提で中古マンションを探す場合は、理想のプランが実現できるかどうかの観点で物件を選びましょう。
・ライズクリエーションリノベでは、茨城県で中古住宅の物件探しから資金計画、設計・施工、アフターメンテナンスまでセットでご相談いただけるサービスをご提供しています。
Contents
マンションリノベーションの人気が上昇中
中古マンションの市場はここ10年上昇傾向にあり、コロナ禍などの経済的不安が広まった時期にも、安定して推移してきました。
東日本不動産流通機構の調べによると、首都圏においては2012年から2022年の間、その成約件数は毎年30,000件を上回っています。
(引用:東日本不動産流通機構)
成約件数が安定して微増傾向にある一方、注目すべきなのがその物件の「築年数」です。
同調査によると、2012年に成約した中古マンションの平均築年数が「18.97年」だったのに対して、2022年には「23.33年」と上昇したことが分かっています。
(引用:東日本不動産流通機構)
新規登録物件、つまりその年に売り出された中古マンションにおいては、2022年で平均「28.16年」と、築30年が目前です。
築30年近くになれば、ほぼ間違いなく水回りなどの設備機器は寿命を迎えていますし、最近トレンドの間取りやインテリアデザインに合わない物件がほとんど。
そのため、多くの方が購入後にリノベーションを検討されます。
その原因はいくつか考えられますが、原油高による資材高騰によって新築マンション購入へのハードルが上がったことや、新築であることの“特別感”よりも、間取りや立地を重視する方が増えたことが挙げられるでしょう。
また、政府によるストック住宅(既存住宅)活用に向けた取り組みが功を奏していることも大きいと言えます。(参考:国土交通省|住宅ストック活用型社会の実現に向けて)
つまり、「中古マンション・リノベーション」は、もはや“夢のマイホーム”の定番になりつつあるのです。
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“リノベーション向き”中古マンションを選ぶ“10”のポイントは?
中古マンションをリノベーションする方が増えている一方で、「思うような住まいにできなかった」と後悔してしまう方も増えています。
その一番の原因は、「リノベーションに適した物件を選ばなかったから」。
マンション購入には大きな費用がかかるため、どうしても資産価値だけを見て物件選ぶ方も多いですが、それが必ずしもリノベーションするのに向いている物件とは言えません。
では、リノベーションを前提に中古マンションを選ぶ場合は、どのようなポイントに着目すれば良いのでしょうか。
ここでは、特に重要な10のポイントを紹介します。
築25年未満がおすすめ・築40年越えは要注意
中古マンション選びの際にまず確認すべきなのが、「築年数」です。
建築時期によってその性能に大きな違いがありますし、価格も変わります。
東日本不動産流通機構のデータによると、築0〜5年の物件と築31年以上の物件では成約時の平均価格に「2,476万円」の差があり、なんと下落率は48.6%にも及ぶことが分かります。
(引用:東日本不動産流通機構)
しかし、いくら安くても購入後の物件寿命が短ければ意味がありません。
そこで狙い目なのが、築20〜25年程度の物件です。
新築からの価格下落が一度落ち着き、なおかつそれほど劣化が激しくないため、物件価格・リノベーション価格をある程度抑えられます。
「それほどリノベーションをしないから古い物件でトータルコストを抑えたい」と考える方もいますが、築40年近い物件を選ぶ際は、要注意。
なぜなら、1981年5月以前に建てられたマンションは“旧耐震基準”が適用されており、現行の建築基準法で定められた性能よりも耐震性が低いからです。
また、住宅ローン控除を利用する場合も旧耐震基準建物は対象外となってしまいます。
ただし、旧耐震基準で建てられたマンションの中には、既に耐震改修が行われており、耐震性には問題ない物件もありますので、古いマンションを購入する場合はその点について必ず確認しましょう。
一方、古いマンションは物件価格が安く、その分根本的な改修が必要となるため、リノベーションにかかる費用は高めです。
間取り変更したい場合は“ラーメン構造”を
マンションの構造は、主に「ラーメン構造」と「壁構造」に分けられます。
- 〈ラーメン構造〉
柱と梁(フレーム)で建物の荷重を支える構造で、専有部内の間仕切り壁は構造体でないため、一部を開けたり移動することができます。ただし、室内に柱型や梁型が出っぱります。 - 〈壁構造〉
界壁(戸境壁)だけではなく、専有部内の間仕切り壁も構造体となっています。柱や梁が室内に出っぱらずにスッキリする一方で、間仕切り壁の部分解体や移動が難しいです。
最近はラーメン構造が主流ですが、中古マンションにおいては壁構造の物件もゼロではありません。
間取りの大幅な変更をしたい場合は、間仕切り壁が自由に解体・移動できる「ラーメン構造」の物件を選んでください。
共用部の管理が行き届いているか
中古マンションの資産価値や住み心地は専有部分の状態だけによりません。
ゴミ置き場や駐輪場、駐車場、エントランスなど、共用部の管理が行き届いているかも肝心です。
せっかくお金をかけてリノベーションしても、共用部の管理次第で嫌な気持ちをしたり、将来売却をしようとしても思うようにいかない可能性もあります。
物件を内覧する際には、必ず共用部もひと通り確認しましょう。
管理人は常駐しているのかや、どんな雰囲気の方が住んでいるのかも分かります。
管理組合はきちんと機能しているか
共用部の清掃など、管理が行き届いているかを確認すると同時に、管理組合がきちんと機能しているかも確認しましょう。
管理組合が正常に機能していないと、修繕積立金や管理費が各戸所有者からきちんと徴収できておらず、大規模修繕工事ができず構造体の劣化が進んでしまう恐れも否めません。
それではいくら専有部のリノベーションをして価値を高めても、ずっと住み続けることは難しいでしょう。
不動産仲介業者を通じて、管理組合の議事録などを見せてもらうなど、現状を必ず確認してから購入を決断しましょう。
管理規約による工事の制限がないか
マンションに住む上で最も威厳のある決まりが「管理規約」です。
一般的にこの管理規約は「国土交通省・マンション標準管理規約」」に基づき作成されるのですが、それに違反すれば管理組合より撤去や是正の通告を受けてしまいます。
(義務違反者に対する措置)
66条 区分所有者又は占有者が建物の保存に有害な行為その他建物の管理又は使用に関し区分所有者の共同の利益に反する行為をした場合又はその行為をするおそれがある場合には、区分所有法第57条から第60条ま での規定に基づき必要な措置をとることができる。
(理事長の勧告及び指示等)
第67条 区分所有者若しくはその同居人又は専有部分の貸与を受けた者若しくはその同居人(以下「区分所有者等」という。)が、法令、規約又は使用細則等に違反したとき、又は対象物件内における共同生活の秩序を乱 す行為を行ったときは、理事長は、理事会の決議を経てその区分所有者等に対し、その是正等のため必要な勧告又は指示若しくは警告を行うことができる。
規約には、リノベーションに関する記載があることがほとんどで、それに沿ってプランを立てなくてはいけません。
物件によっては、「使用できる床材に制限がある」「水周り(キッチン、浴室、トイレ、洗面室など)の移動が禁止されている」場合もありますので、リノベーション前提で中古マンションを選ぶ際には、必ず規約内容も事前に確認しておきましょう。
換気量が十分か
2003年の改正建築基準法によって、新築マンションにも24時間換気システム設置が義務化されました。
しかし、あくまでも義務化の対象は新築のみであり、既存物件やリノベーションの場合はその対象外です。
戸建住宅ですと後から外壁に穴を開けて給排気口を増やすこともできますが、マンションは構造体に手をつけてはいけないため、リノベーションによる増設はできません。
ですから、必ず外壁に面した部屋に窓とは別に給排気口があるか、水回りには換気扇が付いているかを確認しましょう。
せっかくリノベーションをしても、換気量が不十分ではカビなどの原因になったり、空気がこもり居心地が悪くなってしまうかもしれません。
電気容量の上限は低くないか
チェックを忘れてしまいがちなのが、「電気容量の上限」です。
通常、専有部の電気容量は各世帯で電気会社と契約を取り交わすため、上げることもできますがら、古いマンションは建物全体の電気容量が少なく、「30Aが上限」などと決められている場合もあります。
これでは、ファミリー世帯では不十分ですし、食洗機や浴室暖房乾燥機などを設置しても使えないということになりかねません。
ちなみに、一般的に使われる家電製品の消費電力目安は以下の通りです。
インバータエアコン
(冷房時おもに10畳用平均)
<立ち上がり時など>冷房5.8A<14A>
暖房6.6A<20A>冷蔵庫
(450Lクラス)2.5A 電気カーペット
(3畳用)1/2面 4A
全 面 8A電子レンジ
(30Lクラス)15A テレビ 液晶42型 2.1A
プラズマ42型 4.9AIHジャー炊飯器
(5.5合・炊飯時)13A 掃除機 弱 2A
強 10AIHクッキングヒーター
(200V)20A~30A
(最大使用時58A)アイロン 14A 食器洗い乾燥機
(100V卓上タイプ)13A ヘアードライヤー 12A ドラム式洗濯乾燥機
(洗濯・脱水容量9kg)洗濯時 2A
乾燥時 13A(引用:東京電力)
どれほどの電化製品を使うのかによっても適切な契約容量は異なりますが、極端に少ないと日常生活もままならなくなってしまいます。
ですから、必ず電気容量の上限は決まっていないか、上限がある場合はどの程度なのかを確認しましょう。
オール電化かガス併用か
マンションによっては、オール電化対応、つまりガスの配管が一切ない物件もあります。
このような物件で後から専有部へガス配管をすることは不可能であるため、「ガスコンロ・ガスオーブン付きのキッチンにしたい」「ガスヒーターを使いたい」となっても叶いません。
電気代が高騰している昨今、光熱費削減でガスの併用をしたい方は、必ず専有部までガス配管がされているか確認しましょう。
トータル予算内でおさまるか
最後に最も重要なポイントが、「トータル予算内でおさまるか」という点です。
よく聞くのが、「リノベーションしたら結局予算オーバーになってしまった」という例。
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まとめ
中古マンション市場が拡大している中、リノベーションにはあまり適さない物件があることも事実です。
せっかく費用をかけるのですから、理想の間取りやインテリアを実現させたいですよね。
そのような方は、資産価値だけに捉われず、ぜひポイントを押さえて中古マンションの物件探しをしましょう。
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