戸建てフルリノベーション成功のポイント|メリット・デメリットや費用・茨城の施工事例をチェック
現在、一戸建てにお住まいの方の中には、「築年数が経ってきたのであちこち劣化が心配」「家族が巣立って間取りが合わなくなってきた」このようなお悩みをお持ちの方もいるかもしれません。
また、新たに住み替えを検討している方は、「新築では希望の土地がなかなか見つからない…」とお悩みの方も多いと思います。
そんなときは、今ある戸建てをフルリノベーションして、新しく自分たちのライフスタイルに合った住まいを手に入れるという選択肢があります。
今回は、中古戸建てをフルリノベーションして理想の住まいを手に入れるための、リノベーション成功のポイントについて解説します。戸建てのフルリノベーションのメリット・デメリットや、茨城県内で実際に施工した戸建てのフルリノベーション事例の費用・間取り図・ビフォーアフターもご紹介します。茨城県内で戸建てフルリノベーションに使える補助金や税制特例もまとめていますので、ぜひ参考にしてくださいね。
コラムのポイント
・戸建てのフルリノベーションの工事内容の種類が分かります。
・中古戸建てをフルリノベーションするメリット・デメリット(注意点)と成功のポイントが分かります。
・茨城で施工した、外観・内装・間取り変更まで行う戸建てフルリノベーションの費用と実例が見られます。
Contents
一戸建てのフルリノベーションとは
戸建てのフルリノベーションとは、一軒家を全体的にリノベーションすることです。
フルリノベーションと一口で言っても、その内容は多岐にわたります。
壁紙や床、天井などの内装の張り替え・塗装、水回りの交換といった基本的なリフォームから、内装デザイン・間取り変更、外観の修繕や外壁塗装、外壁に面する窓の移動、断熱リフォーム、耐震リフォームなど、戸建てをどの程度までリノベーションするかによって工事の内容と費用は大きく変わってきます。
一戸建てのフルリノベーションの種類
多岐にわたる戸建てのフルリノベーションですが、工事内容は主に3種類に分けられます。
① 表層リノベーション
表層(ひょうそう)リノベーションとは、既存の間取りはそのままに、壁紙や床、天井、室内ドアなどの内装、キッチンや浴室、トイレなどの水回り設備の交換などを行うフルリノベーションのことです。
新耐震基準で建てられている戸建てや、比較的築年数が浅く間取り変更が不要な戸建てに向いています。
② 内装のスケルトンリノベーション
内装のスケルトンリノベーションは、マンションのスケルトンリノベーションと同じような工事内容になります。外壁や外壁に面した窓などは壊さずに、室内側の壁や床、天井をすべて解体して新しくするフルリノベーションです。
間取り変更の自由度が高く、室内側から断熱改修・耐震補強ができるのがメリットです。断熱改修は、壁の内側に断熱材を入れるほか、外壁に面した窓を交換しない代わりに、室内側から二重窓を設置して断熱性をアップさせます。
③ 内外装のスケルトンリノベーション
最後は、最も大規模な内外装のスケルトンリノベーションです。内装に加えて、外壁や窓、屋根まですべて解体して新しくするフルリノベーションになります。
内外装のスケルトンリノベーションは、玄関や外壁の窓の位置なども変更できるため、間取り変更の自由度が最も高い方法です。
また、外壁を解体するので、外側からの断熱改修も可能になり、耐震補強も屋根の軽量化や構造部の補強など、より確実な耐震補強ができます。
- 外装の傷みが激しい場合、外観を変えたい場合
- 建て替えでは希望の間取りが実現できない場合(セットバックの問題)
- 再建築不可の土地で建て替えできない場合
このような場合には内外装のスケルトンリノベーションが適しています。
戸建てをフルリノベーションするメリット・デメリット
メリット①:建て替えよりも費用を抑えて理想の住まいが手に入る
戸建てのフルリノベーションは、今一戸建てにお住まいの方は、建物を全て取り壊して一から建て直す(建て替え)よりも費用を抑えて新しい住まいが手に入ります。
フルリノベーションなら間取り変更も可能なため、親御さんとの同居をきっかけに、既存の住まいを二世帯住宅にフルリノベーションするケースも多いです。
また、住み替えや移住の方は、中古戸建てを選択することで物件の購入費用を抑えられるので、その分リノベーション費用に多く予算を充てられます。中古住宅+フルリノベーションで、新築よりもトータルコストを抑えながら理想の家を手に入れられます。
メリット②:引っ越しや転校をしなくて済む
現在の住まいに不満があるが、立地や環境が良いため引っ越しはしたくない場合や、お子さまに転校をさせたくない、などの希望がある場合も、フルリノベーションがおすすめです。
メリット③:耐震性能・耐久性・断熱性能を向上できる
戸建てのスケルトンリノベーションの場合は、耐震性能や断熱性能など、住宅の性能を向上させて、中古住宅でも長く住める、劣化しにくい家に生まれ変わらせられます。
中古戸建ての性能向上も含めたリノベーションがしたい場合は、内装のスケルトンリノベーションだけでなく、外装まで含めたスケルトンリノベーションや、戸建ての断熱・耐震改修の実績が豊富な工務店や施工会社を選ぶようにしましょう。
メリット④:家を資産として残せる
戸建てをフルリノベーションすることによって、住宅としての資産価値を高められます。家の寿命を延ばし、何世代にもわたって長く安心して住める資産を残せることにもなります。将来、売却する際にも資産価値が高くなり有利になります。
住宅は劣化が進むと、のちのちのリフォームやリノベーション工事費用が高額になり、結局建て替えるという選択しかできなくなる可能性もあります。築年数が古い戸建てにお住まいの方で、子孫に価値のある家を残したいなら、早めにリフォームやリノベーションの相談をしておくと、いざというときに安心です。
すぐにリノベーションしなくても、工務店やリノベーション会社に住宅の現状を調査してもらい、今必要なリフォームやメンテナンスを知っておくだけでも参考になりますよ。
デメリット①:解体するまで正確な費用・期間が分かりづらい
リノベーションが新築と大きく異なるのは、実際に建物を解体するまで正確な工事費用やかかる工事期間がはっきりしないことが多い点です。
実際、壁や床の中の構造材や配管などの状態は解体してからしか把握できないので、傷みが激しかった場合は、当初の見積もりに修復にかかる費用がプラスされる可能性があります。
デメリット②:工法によってリノベーションの自由度が変わる
木造住宅の場合、木造軸組構法(在来工法・在来軸組工法)とツーバイフォー(枠組壁工法)では、木造軸組構法の方が間取りの自由度が高く、大規模な増改築をしやすくなります。
・木造軸組構法
柱、梁や筋交いなどの軸組を「線」で構成するのが特徴。
・ツーバイフォー
北米由来の在来工法。2×4インチを枠材の基本にする。合板などの面材を張って枠組とし、床、壁、屋根を枠組「面」で構成するのが特徴。
面で構造を支えているツーバイフォーの場合、移動できない壁があるなど、間取り変更に制約が出ることもあるため、希望の間取りが100%実現できない可能性があります。
一戸建てのフルリノベーション事例【茨城】
スケルトンリノベで外観まで新築のように美しく【約1700万円・90㎡・3LDK・土浦市】
・物件データ
工期 | 4ヶ月 |
---|---|
築年数 | 30年 |
広さ | 90.25㎡ |
費用 | 約1700万円 |
施工エリア | 土浦市 |
物件種別 | 戸建て |
施工箇所 | フルリノベーション(スケルトンリノベ) |
施主様がご家族から受け継がれたご自宅で、立地や周辺環境がとてもよく施主様のお気に入りのお住まいでした。引っ越すことなく、建て替えするよりは安く済ませたいということでご相談をいただきました。
築30年でいたみもあったため、骨組みを残し、内装・外観も全て新しくするスケルトンリノベーションを選択しました。また、各所に見られたゆがみも一カ所づつ補正をかけながら工事をさせていただきました。
・間取り図
全体の間取りは4LDK→3LDKへ変更。2階部分の間取りはそのまま活かし、1階は和室をなくし水回りをまとめその分LDKを広くしました。
・外観
<After>
外観は木目調の外壁材を使ってナチュラルテイストに。新築と見間違えるようなおしゃれな仕上がりになりました。
・リビング
<Before>
<After>
12畳で窮屈だったLDKを19.5畳に間取り変更。掃き出し窓が増えてとても明るくなりました。高台にあることから、風通しもよく癒しの空間に仕上がり、リビングにいると時間を忘れてしまいそうとのことです。
さらに、左側の壁面の窓をハイサイドライトに変更し、壁掛けテレビのスペースも確保。さらに空間を広く使える工夫をしています。窓の位置を変えられるのは戸建てリノベーションならではですね。
・キッチン
<Before>
<After>
間取り変更でLDKが縦に長くなったため、壁付けのⅠ型キッチンをⅡ型の対面キッチンに変更できました。収納力もアップして使いやすそうです。リビングからの見晴らしの良さをキッチンからも楽しめます。
・水回り
<Before>
<After>
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戸建てのフルリノベーションで使える補助金・減税制度
戸建てをフルリノベーションするなら、国や自治体などが実施している補助金や助成制度、税制特例などを上手に活用しましょう。
戸建てのフルリノベーションで利用できる主な補助金や減税制度を紹介します。
① 所得税の控除、固定資産税の減額
耐震リフォーム、省エネリフォーム、バリアフリーリフォーム、同居対応リフォーム、長期優良住宅化リフォームなど、それぞれの条件を満たしたリフォーム工事を行い、税務署へ確定申告手続きをすることで、所得税の控除・固定資産税の減額措置が受けられます。
例えば、耐震リフォーム(投資型減税)の場合では、現行の耐震基準に適合させる耐震改修工事を行うことで1年間、所得税から標準的な工事費用相当額の10%(最大25万円)が控除されます。
② 介護保険制度(介護リフォーム・バリアフリー工事に対する補助金)
介護保険の「高齢者住宅改修費用助成制度」は、手すりの取り付けや段差の解消など、要支援・要介護の介護認定を受けている方のためのバリアフリー工事をする場合に利用できる制度です。
工事の際に介護保険から工事費用の9割が支給されるため(最大20万円まで)、費用負担を大きく軽減できます。
参考ページ
・つくば市HP「介護保険住宅改修・福祉用具購入」
③ こどもみらい住宅支援事業(リフォーム)
こどもみらい住宅支援事業とは、断熱改修や子育て対応改修、バリアフリー改修など対象となるリフォーム工事をする場合、リフォーム箇所に応じた補助金が支給される制度です。
対象となるリフォーム工事は、「こどもみらい住宅事業者」に登録している施工会社と契約して工事を行うことが条件になります。
工事を行う世帯が、子育て世帯または若者夫婦世帯※の場合や、新たに中古住宅を購入してリフォームする場合は、補助上限が引き上げられます。
※子育て世帯とは、申請時点において、2003年4月2日以降に出生した子を有する世帯です。若者夫婦世帯とは、申請時点において夫婦であり、いずれかが1981年4月2日以降に生まれた世帯です。
参考ページ
・リフォーム(こどもみらい住宅支援事業)
この他にも、下記のような全国対応のフルリノベーションで利用できる補助金制度があります。
参考ページ
・公益財団法人北海道環境財団「【全国対象】既存住宅における断熱リフォーム支援事業」
・一般社団法人環境共創イニシアチブ「令和4年度 次世代省エネ建材の実証支援事業」
・国土交通省「長期優良住宅化リフォーム推進事業」
④ 不動産取得税の特例措置
中古住宅を購入し、リノベーションして住む場合は、次の2つの条件を満たしていると家屋の不動産取得税の軽減(控除)が受けられます。
- ①住宅部分(居住用の付属屋を含む。)の床面積が50㎡以上240㎡以下
- ②ア、イのどちらかを満たす
ア S57年1月1日以後に新築されたもの
イ 取得した日前2年以内に建築士等が行う耐震診断によって、新耐震基準に適合していることが証明されているもの
また、昭和56年12月31日以前に建てられた住宅で、新耐震基準を満たしていない場合は、住宅の取得後に新耐震基準を満たす耐震改修工事を行うことで、中古住宅の新築された日に応じた額が、住宅の税額から減額されます。
⑤ つくば市・土浦市・牛久市のリノベーション関連補助金
全国的なリフォーム・リノベーション助成制度の他にも、自治体が独自に実施しているリフォーム関連の補助金もあります。お住まいの地域や住み替え・移住先の自治体のホームページで最新情報をチェックしましょう。
つくば市・土浦市・牛久市のリノベーション関連補助金制度の一部をご紹介します。
つくば市のリノベーション関連補助金の一例
地震発生時における住宅の倒壊等による災害を防止するため、木造住宅の耐震改修に要した費用の一部(上限50万円)を補助する制度です。
申請者が市内に所有し居住する住宅に対して、市内事業者との請負契約により税込み50万円以上のリフォーム工事を行う場合に、工事費用総額の10分の1を補助する制度です(上限10万円)。
土浦市のリノベーション関連補助金の一例
・土浦市「耐震改修計画および耐震改修工事に係る事業費を助成します」
これまでに土浦市木造住宅耐震診断士派遣事業により耐震診断を受けた方が、耐震改修計画および耐震改修工事を総合的に行う場合に、耐震改修工事費の一部を助成する制度です。
・土浦市「令和4年度 住宅リフォーム助成制度のお知らせ(受付終了しました)」
市民が自ら居住する住宅において、市内の施工業者によるリフォーム工事を行う方に、費用の一部を助成する制度です。令和4年度分は終了しています。
・土浦市「令和4年度住宅用環境配慮型設備導入事業費補助事業の募集について(令和4年度は終了)」
環境に配慮した住宅用の蓄電システムを設置される方に,予算の範囲内で経費の一部を補助する制度です。令和4年度は募集を終了しています。
牛久市のリノベーション関連補助金の一例
・牛久市「令和4年度住宅用環境配慮型設備設置事業補助金について」(令和4年度は受付終了)
家庭用燃料電池システム(エネファーム)などの蓄電システムを導入する際に費用の一部を助成する制度です。令和4年度は受付終了しています。
なお、ここで紹介している内容は2022年8月時点の情報であり、最新の情報は、それぞれの自治体・官公庁などのホームページで必ずご確認ください。令和4年度は受付終了している補助金もありますが、来年度以降にリノベーションをお考えの方はページが更新されているか確認することをおすすめします。
まとめ
戸建てのフルリノベーションは、内装だけの表層リノベなのか、外観まで全て作り変えるスケルトンリノベーションなのかによって、工事の規模や費用・期間が大きく変わってきます。
中古戸建ては一見、リフォームで内装が新築のように美しくなったとしても、構造や断熱性に不安があるままでは安心して住むことはできません。また、戸建ての外観リノベーションや断熱・耐震改修までできる施工会社は限られています。築年数や物件の状態から、適切なリノベーション工事を見極め施主に提案できる工務店を選ぶことが戸建てフルリノベーションの成功のポイントと言えるでしょう。
ライズクリエーションは、リノベーションするための中古戸建てや中古マンション探しからサポートが可能です。また、関連会社で新築の注文住宅建築のノウハウがあるため、戸建てのスケルトンリノベーションや断熱改修、耐震改修にも対応できます。
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