先進的窓リノベ2025事業はいつから?対象工事や補助額を分かりやすく解説

先進的窓リノベ2025事業の対象になる内窓設置

この記事では、国のリフォーム・リノベーション補助金である先進的窓リノベ2025事業の対象工事、補助額などを分かりやすくまとめます。

どのような工事でいくらぐらいの補助金を受け取れるのか分かる内容になっています。

また、先進的窓リノベ2025事業がいつからスタートするのか、申請期限はいつまでなのかなど、注意すべきポイントも解説。

ペアガラスや内窓など、窓のリフォームを検討している方は、ぜひ参考にしてください。

 

このコラムのポイント
  • 先進的窓リノベ2025事業は窓一ヵ所の大きさや性能によって補助額が決まり、上限は一戸あたり200万円です。
  • 工事着手期間は2024年11月22日からで、申請受付スタートは2025年3月下旬が予定されています。
  • 交付申請期限は2025年12月末ですが、予算上限に達した場合は早期締め切りの可能性があるので注意しましょう。

 

 

先進的窓リノベ2025事業とはどんな補助金?

先進的窓リノベ2025事業の対象になる窓ガラス交換

先進的窓リノベ2025事業は、国が提供するリフォーム・リノベーション補助金制度です。

2030年度に家庭部門からのCO2排出量を66%削減することを目的に、既存住宅の省エネ性能を高める窓改修を促進するために設置されました。

対象工事はペアガラス交換や内窓の設置など、窓の断熱性能を高めるリフォーム・リノベーションです。

補助金額は、窓の大きさや性能によって異なりますが、最大で一戸あたり200万円まで補助を受けられます。

2024年にも同様の補助金が用意されていましたが、2025年版は補助額や要件などが少し変更されています。

〈関連コラム〉

先進的窓リノベ2024事業の対象工事と補助金額を分かりやすく解説

 

先進的窓リノベ2025事業はいつからいつまで?

2024年11月29日に令和6年度補正予算が閣議決定され、先進的窓リノベ2025事業は実質的にスタートしています。

補助金の対象となる工事着手可能期間は2024年11月22日からで、交付申請は2025年3月下旬が予定されています。

補助金の交付申請は工事完了後となるため、対象工事の要件さえ満たしていればすでにリフォームやリノベーションに着手できるということです。

交付申請期限は2025年12月末までとなっていますが、申請が予算の上限に達するとその時点で締め切られてしまいます。

手続きのタイミングや締め切りを考えると、なるべく早めにリフォーム計画や工事を進めておくのがおすすめです。

先進的窓リノベ2025事業の対象工事と補助額

先進的窓リノベ2025事業の対象工事内窓設置

先進的窓リノベ2025事業の対象工事は、大きく分けると窓ガラス交換、内窓設置、外窓交換(カバー工法・はつり工法)、ドア交換の5種類です。

それぞれ一定の断熱性能を持つ製品の交換や設置が要件になっており、サイズや性能のグレードによって1か所あたりの補助額が決められています。

工事個所ごとの補助額を合計して受け取れる金額が決定し、下限は5万円、上限は200万円です。

 

グレード 熱還流率(W/m2・K)
SS Uw1.1 以下
S Uw1.5 以下
A Uw1.9 以下

 

窓の断熱性能によって上記の3つのグレードに分かれ、熱還流率が高い窓ほど補助額は大きくなります。

性能については難しい内容になるので、ここでは3つのグレードでいくらぐらい補助額が違うのかを確認しておきましょう。

ここからは、対象工事ごとの具体的な補助額を1つずつまとめていきます。

ガラス交換

窓ガラス交換は、ペアガラスやトリプルガラスなど、断熱性能が高い製品への交換が対象となります。

 

※戸建住宅・低層集合住宅・中高層集合住宅

1.4㎡以上

0.8㎡以上1.4㎡未満

0.1㎡以上0.8㎡未満

SS 55,000円 34,000円 11,000円
S 36,000円 24,000円 7,000円
A 30,000円 19,000円 5,000円

参照:環境省 先進的窓リノベ2025事業の詳細から抜粋

ガラス交換は1枚あたりの補助額が設定されていて、戸建て・アパート・マンションなど建物の構造に関わらず共通です。

仮に1.4㎡以上の掃き出しサイズの引き違い窓を交換する場合、55,000円×2枚=110,000円が補助額になるということですね。

窓ガラスの交換は比較的工期が短く、1日で完了することも多いため取り組みやすいリフォームです。

内窓設置

既存の窓の室内側に設置する内窓も、先進的窓リノベ2025事業の対象工事です。

内窓設置の補助額は建物の階数や構造に関わらず共通です。

 

※戸建住宅・低層集合住宅・中高層集合住宅

2.8㎡以上

1.6㎡以上2.8㎡未満

0.2㎡以上1.6㎡未満

SS 106,000円 72,000円 46,000円
S 65,000円 44,000円 28,000円
A 26,000円 18,000円 12,000円

参照:環境省 先進的窓リノベ2025事業の詳細から抜粋

 

内窓設置の補助額は、工事一ヵ所あたりの性能とサイズで金額が設定されています。

内窓はペアガラスより空気層が厚くなるため断熱性能が高く、省エネ性能の向上が期待できます。

工事も1日程度で完了することが多く、サッシ枠や外壁に影響しないためマンションなどの共同住宅でも取り入れやすいメニューです。

外窓交換(カバー工法)

サッシ枠から窓を丸ごと交換する外窓交換も、先進的窓リノベ2025事業の補助対象です。

こちらは既存のサッシに枠をかぶせるカバー工法で、外壁や室内の壁を壊さずにリフォームできるのが特徴です。

外窓交換は、戸建て住宅と3階建て以下の低層集合住宅、4階建て以上の中高層集合住宅で補助額が変わります。

 

※戸建住宅・低層集合住宅

2.8㎡以上

1.6㎡以上2.8㎡未満

0.2㎡以上1.6㎡未満

SS 220,000円 163,000円 109,000円
S 149,000円 110,000円 74,000円
A 117,000円 87,000円 58,000円

参照:環境省 先進的窓リノベ2025事業の詳細から抜粋

 

※中高層集合住宅

2.8㎡以上

1.6㎡以上2.8㎡未満

0.2㎡以上1.6㎡未満

SS 266,000円 181,000円 112,000円
S 180,000円 122,000円 75,000円
A 148,000円 101,000円 62,000円

参照:環境省 先進的窓リノベ2025事業の詳細から抜粋

 

補助額は窓一ヵ所あたりの金額で、戸建てと低層集合住宅より、中高層住宅の方が高くなっています。

ただし、マンションの窓は共用部分に該当するケースが多く、外壁を壊さないカバー工法でも工事できない可能性があります。

自己所有の戸建てやアパートなら、カバー工法で外窓交換できるケースも多いです。

外窓交換(はつり工法)

一度外壁を壊すはつり工法による外窓交換は、窓の開閉方法やサイズなどを変更したい場合に向いているリフォーム方法です。

はつり工法の外窓交換は、戸建て住宅・低層集合住宅の補助額がカバー工法より低くなります。

 

※戸建住宅・低層集合住宅

2.8㎡以上

1.6㎡以上2.8㎡未満

0.2㎡以上1.6㎡未満

SS 183,000円 136,000円 91,000円
S 118,000円 87,000円 59,000円
A 92,000円 69,000円 46,000円

参照:環境省 先進的窓リノベ2025事業の詳細から抜粋

 

※中高層集合住宅

2.8㎡以上

1.6㎡以上2.8㎡未満

0.2㎡以上1.6㎡未満

SS 266,000円 181,000円 112,000円
S 180,000円 122,000円 75,000円
A 148,000円 101,000円 62,000円

参照:環境省 先進的窓リノベ2025事業の詳細から抜粋

 

はつり工法はマンションなどの中高層集合住宅の補助額が大きいですが、前述したカバー工法と同じで実際に交換できるケースはかなり少ないです。

戸建て住宅や木造アパートなど、自己所有の建物ははつり工法による外窓交換ができるケースがほとんどです。

ドア交換

玄関や勝手口などのドア交換も、断熱性能が高い製品を選ぶことで先進的窓リノベ2025事業の対象になる可能性があります。

ドア交換の補助額は、外窓交換の性能やサイズと同じです。

ただし、ドアのガラス部分だけの交換は対象にならないなど、工事方法によって判断が異なるため、詳しくは施工会社に確認してください。

 

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先進的窓リノベ2025事業以外に活用できる補助金

2025年度は国の補助金が複数予定されているため、リフォーム内容によっては併せて活用したいところです。

 

補助金名 対象工事 補助上限
子育てグリーン住宅支援事業
  • 開口部の断熱改修
  • 躯体の断熱改修
  • エコ住宅設備の設置
  • 子育て対応改修
  • バリアフリー改修
  • 空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置
  • フォーム瑕疵保険等への加入など
40~60万円/戸

※工事内容により変動

給湯省エネ2025事業
  • ヒートポンプ給湯器
  • ハイブリッド給湯器
  • 家庭用燃料電池など、高効率給湯器の設置
6~20万円/台

※機種や性能によって変動

 

子育てグリーン住宅支援事業は、躯体の断熱改修やエコ住宅設備の設置など、窓の断熱リフォームと併せて実施したい工事が対象となっています。

給湯省エネ2025事業は給湯器工事単体で対象になるため、比較的活用しやすい補助金です。

先進的窓リノベ2025事業と上記2つの補助金は申請のワンストップ対応が予定されているため、積極的に活用してみましょう。

先進的窓リノベ2025事業の注意点

先進的窓リノベ2025の対象工事

窓のリフォーム・リノベーションで先進的窓リノベ2025事業を活用する際は、次の2点に注意しましょう。

予算の上限による早期締め切りの可能性がある

先進的窓リノベ2025事業の申請期限は2025年12月末までですが、予算が決まっており上限に達すると早期締め切りになる可能性があるため注意が必要です。

申請期限内で対象要件を満たしていても、早期締め切りになると補助金を受けることができません。

前年度の先進的窓リノベ2024事業は、早期締め切りはなく12月31日で交付申請の受付が終了となりました。

参照:先進的窓リノベ2024事業 交付申請の受付を終了しました。

 

しかし、省エネリフォームの需要は年々高まっているため、2025年は12月まで予算が残っているとは限りません。

なるべく早めに窓リフォームの見積もりを取り、工事のスケジュールを組んで交付申請をするのがおすすめです。

また、工事着工後に交付申請の予約をして、予算枠を確保しておくこともできます。

工事費用は全額用意する必要がある

先進的窓リノベ2025事業の交付申請は、工事の完了・引き渡し後になるため、基本的には一度工事費用を全額支払う必要があります。

補助額を引いた金額でお金を用意すると、契約や支払いのタイミングで足りなくなるため注意しましょう。

補助金は一度窓の工事を担当する施工業者に入ってからお客様に還元されるため、直接入ってくるわけではない点にも要注意です。

工事費用をいつ支払うのか、どのように還元されるのかなど、契約前に確認しておきましょう。

性能証明書と工事前後の写真が必要

先進的窓リノベ2025事業を申請するためには、窓リフォームに使った製品の性能証明書と、着工前、完了後の写真が必要な点にも要注意です。

性能証明書はガラスやサッシなどに付属するケースもありますが、別途発行が必要なメーカーや製品もあります。

工事前に性能証明書の発行や保管について、施工会社と打ち合わせしておきましょう。

また、対象要件を満たしていても写真が無いと補助を受けられなくなるため、工事前に施工会社に撮影してもらえるのか確認が必要です。

まとめ

先進的窓リノベ2025事業は1戸あたりの補助上限200万円と大きく、どなたでも活用しやすい補助金制度です。

窓の断熱性を高めることで、快適性や省エネ性の向上、健康被害のリスク軽減などさまざまな効果が期待できるので積極的に活用しましょう。

ただし、補助金を活用した窓リフォーム・リノベーションでは、対象要件を満たし正しい手順で申請することが大切になります。

補助金活用の実績が豊富な施工会社に相談し、確実に補助を受けられるように進めましょう。

 

ライズクリエーションのリフォームスタッフ

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