空き家リノベーションのメリット・デメリット|費用相場や補助金情報も紹介
日本では空き家率の上昇が社会問題になっていますが、使われなくなった空き家をリノベーションして活用するケースも増えています。
相続して誰も住んでいない実家や、中古住宅として購入した空き家をリノベーションすることで、費用を抑えて理想のマイホームをつくれるのが大きな魅力です。
しかし、築年数が古く空き家期間が長い場合、雨漏りやシロアリ被害、耐震性能の不足など気になる点も多いですよね。
また、空き家全体をフルリノベーションすると、いくらぐらい費用がかかるのかも気になるポイント。
そこでこの記事では、空き家リノベーションのメリット・デメリット、費用相場や注意すべきポイントなどを詳しく解説します。
空き家リノベーションの費用を抑える補助金情報も紹介しますので、空き家をお持ちの方、購入を検討している方どちらも参考にしてください。
・空き家リノベーションは、新築や建て替えより費用を抑えることができ、特定空家に指定されて固定資産税が増加するリスクも回避できます。
・空き家の水回り設備の交換や内外装リノベーションの費用相場は626~1,780万円で、スケルトンリフォームの場合は2,000~2,500万円前後が相場になります。
・国や自治体の補助金制度を活用すると、費用を抑えて空き家リノベーションできる可能性があります。
Contents
空き家リノベーションのメリット
相続した実家やこれから購入する空き家のリノベーションには、次のようなメリットがあります。
マイホーム取得費用を抑えられる
自己所有の空き家や中古物件を購入してマイホームにリノベーションすることで、取得費用を抑えられるのは大きなメリットです。
相続した空き家なら物件取得費用がかからないため、リノベーションにお金をかけて理想のデザインや間取り、快適な空間を実現できる可能性が高くなります。
また、空き家は中古物件としてもリーズナブルな価格で販売されているケースが多いため、リノベーション費用をかけても新築より費用を抑えやすいです。
具体的な空き家リノベーション費用相場は後半で紹介しますので、そちらも参考にしてください。
特定空家に指定されるリスクを回避できる
誰も住んでいない空き家を所有している場合、リノベーションによって特定空家に指定されるリスクを回避できるのもメリットです。
特定空家とは、倒壊や衛生上のリスクがある状態にあり、周辺の生活環境に悪影響を及ぼす空き家のことです。
特定空家に指定されると住宅用地特例の対象から除外されて土地の固定資産税が増加し、改善命令を受ける可能性があります。
空き家をリノベーションして活用することで特定空家指定を回避でき、倒壊や侵入などのリスクも軽減できます。
空き家リノベーションのデメリット
空き家のリノベーションには次のようなデメリットもあります。
成功のポイントは後半で解説しますので、ここではどんなリスクやデメリットがあるのか覚えておきましょう。
建物の状態で費用が変動する
築年数が経っていたり、空き家状態が長かったりする場合、建物の状態が悪くリノベーション費用が多めにかかる可能性があるのは注意すべきデメリットです。
例えば、屋根や外壁のメンテナンスが行き届かず雨漏りが発生している空き家は、柱や土台の腐食、シロアリ被害などのトラブルが隠れているケースがあります。
このような空き家トラブルは、通常のリノベーション費用にくわえて補修・補強費用がかかり、予算オーバーのリスクが増加します。
また、1981年の建築基準法改正以前の「旧耐震基準」で建てられている空き家は、リノベーションのほかに耐震補強費用がかかるケースも。
空き家は建物の状態によってリノベーション費用が大きく変動するため、思わぬ出費で予算オーバーするリスクがあることを覚えておきましょう。
劣化やトラブルが後で発覚するリスクがある
空き家リノベーションでは、前述したようなトラブルを見逃してしまい、実際に暮らし始めてから発覚するリスクもあります。
例えば、雨漏りやシロアリ被害などのトラブルを見逃して内外装だけキレイにリノベーションした場合、後で発覚して解体・補修費用が余計にかかる可能性があります。
リノベーション前に建物をしっかり診断するのが基本ですが、解体してみないと分からない部分もあるため、見逃しが発生するリスクはゼロではありません。
空き家はトラブルが隠れていることもあることを理解し、実績や建築知識が豊富なリフォーム・リノベーション会社に相談することが大切です。
理想の間取りやデザインにならない可能性がある
木造一戸建ての空き家は比較的間取りやデザインの自由度は高めですが、リノベーションで理想のマイホームをつくれないケースもあります。
通し柱や筋交いなど耐震性を確保するために重要な構造は移動できないこともあり、間取り変更で理想のレイアウトにならない可能性があります。
また、防火地域や風致地区など特殊なエリアでは、外観に使える建材が限られて思ったようなデザインをつくれないケースも。
基本的にはアイデア次第で暮らしやすくおしゃれにリノベーションできますが、制限がかかるケースもあることを覚えておきましょう。
空き家リノベーションを成功させるためのポイント
前述したデメリットやリスクに対策し、空き家リノベーションを成功させるためのポイントを覚えておきましょう。
建物の状態を正確に把握する
まずは、空き家の状態を正確に把握し、リノベーションのプラン内容や見積もりが変動しないように対策しましょう。
一般の方が空き家の状態を正確に診断するのは難しいため、施工実績が豊富なリノベーション会社に相談して、現地調査をしてもらうのが確実です。
現地調査から見積もりまでは無料で対応しているリノベーション会社がほとんどなので、基本的には費用はかかりません。
建築図面や今までのリフォーム・メンテナンス履歴などの情報を用意しておくと、より正確に建物の状態を判断しやすくなります。
耐震基準を確認する
空き家の築年数によっては、どの時代の耐震基準で建てられているのか確認することも大切です。
前述したように、1981年以前に建てられた空き家は、旧耐震基準で設計されており、リノベーション時に耐震補強が必要になることがあります。
築年数が古くても現行の耐震基準を満たしているケースもありますが、耐震性が不足している場合、なるべく耐震補強を行うのが望ましいです。
建築図面などを用意し、必要に応じて耐震診断などを受けるようにしましょう。
相続の場合は事前協議を
実家を相続してほかの相続人と共有名義になっている場合、リノベーションの前に事前協議をしておくことも大切です。
複数人で共有名義になっている空き家は、全員の承諾を得ないとリノベーションや活用ができません。
これから相続する場合は、遺産分割協議によって誰が空き家を活用するのか明確にしておく必要があります。
すでに相続して空き家が共有名義になっている場合は、共有者全員で話し合ってからリノベーション計画を進めましょう。
空き家リノベーションの費用相場
空き家リノベーションにかかる費用は、建物の状態やプランによって変わります。
国土交通省が実施したリフォーム費用に関するアンケートを基に、大まかな費用相場をチェックしてみましょう。
リノベーション項目 | 費用相場 |
トイレ全体の改装 | 20~50万円 |
洗面化粧台の交換 | 20~50万円 |
システムキッチン(Ⅰ型)の交換 | 40~80万円 |
システムバスの交換 | 60~150万円 |
ガス給湯器の交換 | 20~50万円 |
畳→フローリングに | 15~60万円 |
壁クロスの貼り替え | 6~30万円 |
ダイニングの改修 | 100~200万円 |
リビングの改修 | 200~400万円 |
廊下の改修 | 20~100万円 |
玄関の改装 | 20~150万円 |
バルコニーの改修 | 20~200万円 |
スレート屋根の塗り替え | 20~80万円 |
外壁材の重ね塗り | 50~150万円 |
シロアリ防止処理 | 15~30万円 |
合計 | 626~1,780万円 |
一般的な空き家で多いリノベーション項目をピックアップすると、費用相場は626~1,780万円となりました。
これは水回り4点、内装や外装を含めた基本的なリノベーション内容で、暮らしやすさや性能にこだわる場合、さらに費用がかかるケースもあります。
前述した国土交通省の調査によると、「躯体以外の部分を全面リフォーム」の費用相場は500~2,500万円となっています。
柱や土台などの骨組みだけ残して内外装を一新する「スケルトンリフォーム」の場合、2,000万円以上の費用がかかるケースもあるということです。
ただし、これだけリノベーション費用をかけても、空き家の建て替えよりは費用を抑えられる可能性が高いです。
こちらのコラムで築50年の一戸建てのリノベーション・建て替え費用を比較していますので、あわせてごらんください。
〈関連コラム〉
築50年の戸建てはリフォームか建て替えか?費用比較や何年住めるか解説
空き家リノベーションで使える補助金制度
空き家リノベーションの工事内容によっては、補助金の対象となり費用負担を抑えられるケースもあります。
補助金名 | 補助内容・補助金額上限 |
子育てエコホーム支援事業 |
|
先進的窓リノベ2024事業 |
|
給湯省エネ2024事業 |
|
2024年度の場合、国の補助金だけでも上記のような制度があり、水回り設備の交換や断熱窓の設置などが対象となります。
リノベーション内容によっては補助金額が大きいものもあるため、積極的に活用しましょう。
〈関連コラム〉
リフォーム&リノベーション補助金2024年版|いつから、どんな工事が対象になるのか解説
また、空き家を管轄する自治体独自の補助金が利用できるケースもあります。
茨城県でも市町村によってさまざまなリフォーム・リノベーションを対象とした補助金制度があり、空き家でも活用可能です。
〈関連コラム〉
茨城県で使えるリフォーム補助金まとめ|自宅・空き家・耐震改修など
茨城の空き家リノベーションはライズクリエーションへ
空き家リノベーションは、新築や建て替えより費用を抑えられるのがメリットですが、注意すべきポイントもあります。
建物の状態や名義などを確認し、スムーズなリノベーション計画を立てましょう。
特に築年数が経った空き家は、雨漏りやシロアリ被害、間取り変更の可否などの判断が必要なため、施工実績が豊富なリノベーション会社に相談してください。
ライズクリエーションは、茨城県つくば市・土浦市を中心に、空き家リノベーションをお手伝いする専門店です。
空き家探しや建物の診断、リノベーションのお見積もりなど、どんなこともお気軽にご相談ください。