再建築不可物件はリフォームできるのか|2025年の建築基準法改正についても解説

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再建築不可物件であっても、小規模リフォームやスケルトンリフォームであれば実施可能とされてきました。

しかし、2025年4月に施行される建築基準法の改正によって、再建築不可物件のリフォーム条件は大きく変わります。

現段階でリフォーム可能な物件も、改正後は工事不可能となる場合が少なくありません。

本記事では、「再建築不可物件をリフォームするにはどうしたらいいか」「2025年建築基準法の改正でどのような影響があるのか」とお悩みの方に向け、次のポイントに沿って解説します。

このコラムのポイント
・再建築不可物件とは何か解説します。
・再建築不可物件の場合リフォームはできるのか解説します。
・2025年建築基準法の改正で何が変わるのか解説します。

 

再建築不可物件とは?

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再建築不可物件とは、建物を解体した場合、同じ場所に新たな建物を建てられない土地です。

再建築不可となる理由は複数ありますが、主には建築基準法の接道義務に反した物件が再建築不可物件に該当します。

建築基準法の接道義務とは

接道義務とは、建築基準法第43条で定められた建築規制です。

1950年の建築基準法制定以降に制定されたため、それ以前に建てられた建物の中には、基準を満たしていない物件が少なくありません。

接道義務においては、建物を建てる土地に関して以下の要件を定めています。

項目 内容
道路の幅員 原則4メートル以上(建築基準法で定められた道路の基準)
接道の長さ 最低2メートル以上
適用区域 都市計画区域および準都市計画区域

〈※出典:建築基準法 第43条

つまり、建築基準法によって定められた幅員4メートル以上の道路に対し、2メートル以上接している土地でなければ、建築物を建てられません。

接道義務による再建築不可物件の例

接道義務に反した再建築不可物件には、次のような物件が該当します。

  • 道路に接していない
    どこも道路に接していない土地に立っている場合、再建築不可能です。
  • 接している道路幅が狭い
    道路に接していたとしても、道路幅が建築基準法を満たしていなければ再建築不可です。そのため、土地が幅員4メートル未満の道路にしか接していない場合、再建築不可物件となります。
  • 非道路に接している物件
    物件の土地が通路・路地などにのみ接している場合、建築基準法を満たした道路に接していないため、再建築不可物件となります。

接道義務違反以外による再建築不可物件

再建築不可とされる理由は、接道義務違反以外にも複数存在します。

  • 区域区分による制限
    市街化調整区域にある土地の場合、都市計画法により市街化抑制地域として指定されているため、原則再建築不可となります。
  • 高圧線による制限
    敷地上空に高圧線(17万ボルト以上)が通っている場合、再建築が制限されます。
  • 既存不適格物件
    現在の法律に適合せず、現行法では同一の建築物を建てられない「既存不適格物件」に該当する場合、再建築ができません。
  • その他の制限
    都市計画上の特殊なルールや、各自治体の法令・条例によって再建築が制限される場合もあります。

上記に該当する場合も、その土地に新たな建築物を建てられません。

所有する物件が再建築不可物件か知りたい場合は、土地の所在する市役所・区役所などの建築関連部署へ問い合わせる、自治体のホームページを確認する、不動産会社に相談するなどの方法があります。

 

再建築不可物件の場合リフォームはできるのか

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再建築不可物件であっても、建築確認申請が不要な工事であればリフォームできる可能性があります。

建築確認申請とは、建築基準法などの各種法令に対し、建物が適合しているか確認する手続きです。

再建築不可物件の場合、建築基準法上の安全基準を満たしておらず、建築確認申請が通りません。

そのため、建物を改修する際も、建築確認申請を省略できる工事内容とする必要があります。

建築確認申請が不要な工事例は以下の通りです。

建築確認申請が不要な工事例
・床面積が10平方メートル以内の小規模な建物の増築または改築(ただし、防火地域および準防火地域は対象外)
・建物の基礎、柱、梁などの構造的骨格のみを保存し、内部を全面的に刷新するスケルトン型のリフォームまたはリノベーション
・建物の主要構造部(柱、梁、壁、床、階段、屋根など)の半分以下を残し、残りの部分を取り替える改修工事

 

新築では必須の建築確認申請ですが、リフォームであれば工事内容や規模によっては申請を省略できます。

そのため、再建築不可物件でも場合によっては対応可能です。

また、建築確認申請なしでリフォームするには4号建築物へ該当する必要があります。

4号建築物の条件は以下の通りです。

4号建築物の条件
・木造建築物の場合、階数が2階以下、建物の最高高さが13メートル以下、軒の高さが9メートル以下、延べ床面積が500平方メートル以下に該当する建築物
・非木造(平屋)建築物の場合、延べ床面積が200平方メートル以下

〈※出典:建築基準法第6条の4

4号建築物の場合、建築確認申請を省略できる特例が設けられており、それを「4号特例」と呼びます。

再建築不可物件であっても4号特例に該当する物件であれば、一定条件を満たすことでリフォーム可能です。

しかし、2025年建築基準法の改正によって、条件がより厳しく改正されるため注意しましょう。

2025年建築基準法の改正で何が変わるか

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2025年の建築基準法改正では、これまでに設けられていた4号特例の縮小措置が行われます。

4号特例に関する主な改正内容は以下の通りです。

4号特例に関する建築基準法の改正内容
・木造2階建ておよび延べ床面積200㎡を超える木造平屋は、「新2号建築物」に分類され、これまでの審査省略特例の対象から除外されます。
・延べ床面積200㎡以下の木造平屋は「新3号建築物」として扱われ、建築確認申請が不要となります。
・「新3号建築物」は、都市計画区域内の場合にのみ建築確認申請が必要となります。
・「新2号建築物」「新3号建築物」が新設されることで、大規模リノベーションの建築確認申請が必要となる場合が増えます。
・「新2号建築物」は構造関係規定等の図書と省エネ関連の図書を提出する必要があります。

〈※出典:国土交通省|2025年4月(予定)から4号特例が変わります

これまでは、再建築不可物件であっても、小規模リフォームや内部を刷新するスケルトンリフォームなら可能とされてきました。

しかし、再建築不可物件のリフォームが可能だったのは、4号特例に該当し建築確認申請を省略可能であったためです。

2024年の建築基準法改正後は、4号特例に該当していた物件も新2号建築物に分類され、建築確認申請を必要とするケースが増加します。

新2号建築物に分類される場合、耐震性能や省エネルギー性能の確保を求められる点も大きなハードルです。

つまり、4号特例で可能となっていた再建築不可物件のリフォームは、建築許可が下りない可能性が高くなると言えます。

4号特例の縮小以降も再建築不可物件はリフォームできるか

再建築不可物件 リフォーム

2025年4月の建築基準法改正により、再建築不可物件のリフォームには新たな制約が生じます。

一方、リフォームがまったくできないわけではありません。

再建築不可物件であっても、次の方法でリフォームできる可能性があります。

  • 小規模リフォームを活用する
  • 接道条件を改善する

小規模リフォームを活用する

再建築不可物件であっても、主要構造物を変更しないような部分的リフォームであれば、建築確認申請を省略できる場合があります。

水回りの設備交換や、システムキッチンの交換、一部壁紙の張り替えなどは、従来通りリフォーム可能です。

接道条件を改善する

接道条件を改善することで、リフォーム可能な状態とするのもひとつの手段です。

接道条件の改善方法には、次の2つがあげられます。

セットバックする

セットバックとは、建築時に土地と道路の境界線を後退させ、道路の幅を広げることです。

接道条件に違反している場合も、セットバックを行うことで前面道路幅を確保でき、大規模リフォームが可能となる場合があります。

周辺の土地を取得する

周辺の土地を取得することで、道路との接続部分を2メートル以上確保した場合、接道条件を満たせます。

この場合、接道条件違反によって再建築不可だった物件も、大規模なスケルトンリフォームが可能です。

しかし、多くのコストが発生するため、現実的とは言えません。

再建築不可物件のリフォームは最新の法令に注意しよう

再建築不可物件 リフォーム

2025年4月の建築基準法改正によって、再建築不可物件のリフォームは非常に難しくなります。

木造2階建て、あるいは延べ床面積200㎡を超える木造平屋の再建築不可物件の場合、「新2号建築物」に分類されるため、建築確認申請を省略した大規模リフォームができません。

最新の法令や今後の対策については、リフォーム会社をはじめとする専門家に相談しましょう。

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ライズクリエーションのリフォームスタッフ

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