リフォームできない家・向いていない家の特徴|リフォームしやすい家の見極め方
ここ数年中古住宅の人気が高まっていますが、リフォームできない家、または向いていない家を購入して失敗や後悔してしまうケースが多いようです。
マンション・戸建てどちらも、リフォームやリノベーションへの向き不向きがあり、物件選びに失敗すると費用やプランなどの制限が大きくなります。
そこで今回は、リフォームできない・向いていない家の特徴をそれぞれ詳しく解説します。
後半ではリフォーム向きの家を見極めるコツや取り組み方も紹介しますので、ぜひ物件探しの前に覚えておいてください。
- 再建築不可や違法建築など、特殊な条件の家はフルリフォームや増築ができない可能性があります。
- リフォームに向いていない家は、余計な費用がかかったりプランの自由度が低かったりして後悔する恐れがあります。
- リフォームしやすい家を確実に選ぶには、情報を漏れなく把握して、建築目線でチェックすることが大切です。
Contents
リフォームできない家の特徴
次のような家は、特定のリフォームができない可能性があるため、基本的には避けるべきです。
間取り変更できない構造
戸建て・マンションどちらも、構造によっては間取り変更できないケースがあるので注意しましょう。
中古住宅のフルリフォームやリノベーションでは、リビングを広くするなど間取り変更を伴うことがほとんどです。間取り変更できない構造の家を選んでしまうと、理想の住まいをつくれない可能性が高くなります。
戸建ての場合、通し柱や筋交いといった耐震性を確保するための構造は、撤去や移動ができない可能性が高いです。また、大手ハウスメーカーの「プレハブ構造」で建てられている家も、間取り変更に制限がかかるケースが多いです。
鉄筋コンクリート造のマンションは、壁全体で建物を支える「壁式構造」の場合間取り変更できない可能性があります。
再建築不可
何らかの理由で再建築不可となっている家も、リフォームやリノベーションができないケースがあります。再建築不可とは文字通り建て直しができない家のことで、接道義務違反や既存不適格などさまざまな要因が考えられます。
具体的には、再建築不可の家では建築確認申請が必要となるリフォームはできません。増築や延床面積の1/2以上のリフォーム・リノベーションなどは、建築確認申請が必要になるためできないということです。
また、再建築不可の家は金融機関からの融資を受けにくいため、資金計画の難易度が高いのもデメリット。
違法建築
建築基準法に則っていない違法建築の家も、リフォームの内容によってはできない可能性があります。違法建築には、申請していない増築による建ぺい率・容積率オーバー、確認申請と建物の仕様が違うといったケースがあります。
違法建築の家を購入したり、簡易的にリフォームしたりすること自体は問題ありません。ただし、確認申請が必要となるスケルトンリフォームや増築はできない可能性が高いです。また、住むだけなら違反にはなりませんが、行政からの是正勧告や命令を受けるリスクもあります。
建ぺい率・容積率ギリギリ
土地に定められた建ぺい率・容積率の上限ギリギリで建てられている家は、増築リフォームができません。
建ぺい率・容積率は敷地に対する建物の床面積の割合のことです。例えば、100㎡で建ぺい率50%の土地なら、建築面積の上限は50㎡となります。
増築を伴わないリフォームなら、建ぺい率・容積率ギリギリの家でも問題ありません。しかし、床面積が足りない場合は選択肢が限られるため、理想の家づくりに支障が出る可能性があります。
〈関連コラム〉
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リフォームに向いていない家の特徴
次のような家は、リフォームできるものの、余計な費用や手間がかかる可能性が高いです。
ハウスメーカーの独自規格で建てられている
大手ハウスメーカーの独自規格や輸入住宅など海外の規格で建てられた家は、リフォームの選択肢が限られることがあります。
例えば、お風呂やキッチンのサイズが独自規格だと、ピッタリ合うメーカーが無かったり、オーダーになったりするケースが多いです。
お部屋の広さや設備など、一般的な規格ではない場合、使える建材が限られるケースも。
搬入出が難しい
エレベーターのないマンションや前の道が狭い戸建てなど、搬入出が難しい家もあまりリフォーム向きではありません。
マンションの場合エレベーターが無いと荷揚げ費用がかかることがあり、工期も長引いてしまいます。
前の道が狭く駐車スペースがない戸建ては、搬入のトラックが入れず余計な工期がかかる可能性が高いです。
旧耐震基準で建てられている
1981年以前の旧耐震基準で建てられている家も、リフォームに向いていない可能性が高いです。
旧耐震基準の家もそのまま住むことはできますが、大きな地震が発生したときの倒壊や破損リスクが高くなります。現行の新耐震基準に適合させるには費用がかかり、大きな負担になることも。
また、耐震性の低い家は過去の地震で歪みやひび割れが発生しやすく、雨漏り・シロアリ被害などに発展する恐れもあります。
管理規約や自治体ルールが厳しい
マンションの管理規約や戸建てを管轄する自治体の独自ルールが厳しいケースも、リフォーム・リノベーションに制限がかかることがあります。
例えば、管理規約でマンションの水回りの移動や壁の撤去が禁止されている場合、間取り変更できず理想の住まいをつくれない可能性が高いです。
戸建の場合、自治体のルールで外観のカラーや給湯器・物置の設置場所が制限されるケースも。
法律以外の部分は見逃してしまうことも多いため、物件選びで必ずチェックしたいポイントです。
適切にメンテナンスされていない
前の持ち主が適切なメンテナンスをしていない家も、余計な修繕費用が発生するためリフォームに向いていません。
例えば、外壁・屋根塗装を怠ると建物の状態が傷みやすく、雨漏りやシロアリ被害などのトラブルが隠れていて、修繕費用がかかるケースがあります。
防火地域/準防火地域
防火地域や準防火地域などのエリアにある家は、建材の選択肢やリフォーム内容が制限されるケースがあります。
防火地域には耐火建築しか建てられず、リフォームの場合も外壁や屋根などの外装に使える建材が限られます。
マンションも防火地域では防火性能の高い網入りガラスが必要になり、リフォーム費用が高額になる可能性が高いです。
防火地域や準防火地域の家はリフォーム自体は可能ですが、デザインの制限やコスト増などの可能性があるので注意しましょう。
リフォームしやすい家の見極め方
実際に中古物件を探すときは、次のポイントに注目してリフォームしやすい家を見極めましょう。
敷地の建築制限を正確に把握する
マンション・戸建てどちらの場合でも、まずは敷地にかけられている建築制限を正確に把握しましょう。
防火地域のようなエリア、建ぺい率・容積率など、建築制限を把握しないとリフォーム計画も立てられません。
物件情報にすべて目を通して、厳しい建築制限がかけられていないかチェックしてください。
詳細な図面を取り寄せる
リフォーム向きの物件を見極めるために、詳細な建築図面を取り寄せるのも重要なポイントです。
物件情報の簡易的な図面だけでは、リフォームの向き不向きを判断するのは難しいです。
耐力壁や給排水管の位置などが記載されている建築図面があると、どんなリフォームができるのか判断できます。
施工会社と建物をチェックする
中古物件を契約する前に、施工会社と建物やリフォームプランをチェックする必要もあります。
不動産会社では、間取り変更の有無やどんなリフォームができるのか判断するのは難しいです。
前述した建築図面をリフォーム会社に見せれば、リフォーム向きかどうかある程度判断してもらえます。
リフォーム・リノベーション会社に物件探しから頼めば、より確実にリフォーム向きの家を選んでもらえるのでおすすめ。
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まとめ
マイホームとして中古住宅を選ぶときは、リフォームできない家や向いていない家を回避することが大切です。
リフォームできない家を選んでしまうと、余計な手間と費用がかかり、不満が残ってしまう可能性が高いです。
ご自身でリフォーム向きの家を見極める自信がないときは、信頼できる施工店に相談して建物をチェックしてもらいましょう。
茨城県のつくば市・土浦市周辺の中古住宅リフォーム・リノベーションは、専門店のライズクリエーションにご相談ください。
不動産・リフォーム部門が連携し、物件探しからプランづくりまでしっかりサポートいたします。