バリアフリーリフォームの事例は?期間・費用から補助金についてまで
ご自宅をリノベーション・リフォームするきっかけは皆さんそれぞれですが、ご家族がより快適に暮らせるためにバリアフリーリフォームを検討する方も多いでしょう。
しかし、実際どんな工事をすればいいか分からないという方も少なくないはずです。
そこで、今回はバリアフリーリフォームの主な事例と工事期間・費用の目安、マンションで行う場合の注意点、関連する補助制度について解説します。
今の家をご家族に優しい住まいにリフォームしたい方はもちろん、これから中古マンション・中古住宅の購入を検討する方も、ぜひ参考にしてください。
・マンションの場合、戸建住宅とは異なる注意点があります。
・ライズクリエーションリノベでは、茨城県で中古住宅の物件探しから資金計画、設計・施工、アフターメンテナンスまでセットでご相談いただけるサービスをご提供しています。
Contents
バリアフリーリフォームの方法は?費用・期間の目安は?
バリアフリーリフォームと聞くと、皆さんはどのような工事を想像しますか?
普段の生活で不便に感じた部分を改修する工事を指しますが、適したリフォームは住む方それぞれ異なります。
そのため、「とりあえず段差を無くそう」「一応手すりをつけておこう」という構えで工事をしても、そのメリットを感じられないこともあるのです。
そこで、ここでは主なリフォーム事例について、具体的な工事内容、費用・期間の目安を紹介します。
その① 段差解消リフォーム
玄関ポーチや玄関上り口、そのほか床のちょっとした段差で転倒し、介護が必要になるケースは少なくありません。
内閣府が毎年まとめる「高齢社会白書」によると、認知症や脳卒中、衰弱に続いて、転倒による骨折が介護の原因として多いというアンケート結果があるほどです。
元気なうちはそれほど気にならない段差でも、筋力や身体機能が低下してバランス感覚が保てなくなったり、服薬の影響でめまいや立ちくらみすることが多くなったりすれば、高さ関係なしにつまづいてしまうリスクはあります。
段差解消リフォームは、場所によって工事内容は様々ですが、スロープをつける方法が一般的です。
ただし、スロープを作るには広いスペースが必要となるため、空間に限りがある場合は、土間と床の段差の中間に設置するステップ「式台(しきだい)」、もしくは腰掛けて座りながら並行移動できる「ベンチ」を設置する方法もあります。
工事期間:5〜7日(コンクリート養生期間含む)
工事期間:1〜3日
工事期間:1日
工事期間:1日
その② 手すり取り付けリフォーム
体重をかけて体を支えられる手すりは、玄関や階段など段差がある部分だけではなく、平行移動する廊下、座ったり立ち上がったりするトイレ・浴室など、様々な場所で必要となります。
また、形状・太さ・素材などに種類があるため、使う方に合わせたセレクトをしなくてはいけません。
- 形状の種類(I型/水平・I型/垂直・L型・据え置き型など)
- 太さの種類(直径35mm・直径25mmなど)
- 素材の種類(木製・樹脂製・金属製など)
また、取り付け高さや位置も重要で、平均的な場所につけても使う方の体格次第では使いづらく、逆に邪魔になってしまうことも少なくありません。
取り付けを検討する際は、どこに必要か、どのような手すりを選べばいいかなど、プロのアドバイスを受けることがポイントです。
工事期間:2〜4日
工事期間:1〜2日
その③ 設備機器取り替えリフォーム
キッチンやトイレ、浴室・洗面の取り替えも、バリアフリーリフォームと関わりがあります。
例えば、タイル仕上げの在来工法浴室ですと、断熱性が低くヒートショックが心配ですし、床が滑りやすかったり浴槽へ入る際も大きく跨がなくてはいけない可能性が高いでしょう。
また、介護が必要な場合は、介助者が身動きできるスペースも必要です。
車椅子で使う場合には、転回や移動もできなくてはいけませんし、カウンター高さを低くしたり、座りながら作業ができる仕様にしなくてはいけません。
最近では、消し忘れや袖口への引火による火災事故を防ぐために、キッチンの加熱器をガスコンロからIHクッキングヒーターへ取り替える方も増えています。
工事期間:5〜8日
工事期間:1〜2日
工事期間:3〜5日
その④ 床材リフォーム
「段差さえなければ大丈夫」と思うかもしれませんが、床の素材によっては転倒事故を引き起こしかねません。
例えば、一般的なフローリング材ですと、靴下を履いていると滑りやすかったり、転倒した時に硬いため怪我が重症化したりしてしまいます。
耐衝撃性のあるクッションフロアや畳、コルクタイルなどに取り替えるのがおすすめです。
カーペットは柔らかいため転んだ時の衝撃は軽減できますが、滑りやすいため慎重に選びましょう。
工事期間:1〜2日(畳製作期間除く)
工事期間:1〜2日
その⑤ 内装ドアリフォーム
一見、ドアはバリアフリーに関係ないと思うかもしれませんが、一般的な開き戸から引き戸に変えることで、一気に室内での移動が楽になります。
なぜなら、引き戸は開き戸よりも少ない力で開閉できますし、車椅子に乗っている方でもご自身で移動しやすいからです。
開け放しにしても邪魔にならない点もポイントです。
ただし、最低でも扉2枚分の壁スペースがないと取り付けできません。
工事期間:1〜2日
その⑥ 間取り変更リフォーム
車椅子の方が家の中を自由に移動できるようにしたり、寝室を2階から1階へ移動したりする場合は、ある程度広範囲で間取り変更しなくてはいけないかもしれません。
その場合、被介護者の方の自尊心を尊重することはもちろん重要ですし、介護する方の生活も守らなくてはいけません。
そのため、単純に被介護者の生活空間を玄関やリビングなどの近くに移動すればいいという訳ではなく、家全体のバランスを見る必要があります。
工事期間:14〜30日(電気・設備工事など除く)
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マンションでバリアフリーリフォームをする際は注意すべきポイントが
ここまでバリアフリーリフォームの主な工事内容についてお話ししましたが、マンションでこれらの工事をする場合、気をつけなくてはいけないポイントがいくつかあります。
マンションにお住まいの方は事前に管理組合などへ相談するなどの準備を整えておきましょう。
その① すぐに工事できない
バリアフリーリフォームは、事前にご自身で計画を立てて“万が一”に備えて工事する場合もありますが、突然手配しなくてはいけないケースも少なくありません。
その場合気をつけなくてはいけないのが、「管理組合への工事申請」です。
マンションの場合は、区分所有者が勝手に工事したり騒音トラブルを起こしたりしないように、事前に工事範囲や工事期間なども管理組合へ報告する義務があります。
申請書・工事計画書(図面や仕様書など)・工程表などを作成し、着工の10〜20日前には管理組合へ提出し、審査・承認を受けなくてはいけないのです。
そのため、「1日でも早くリフォームしたい」となってもすぐには着工できませんので、施工会社と十分にスケジュールを相談しておきましょう。
その② 工事可能範囲・材料が限定されている場合がある
マンションの管理規約では、専有部内であっても工事していい場所・してはいけない場所が決められていたり、騒音トラブルを防ぐために、床材などの仕様が決められていたりします。
水回りの移動や床の張り替えが禁止、もしくは防音フローリングやカーペットでないと施工できないというマンションは少なくありません。
決まりについては管理規約に必ず記載されているはずなので、リフォームプランを立てる前に内容をチェックしておくことをおすすめします。
その③ 共用部を傷つける工事はできない
共用部とは、主に玄関ドア・窓サッシ・界壁(隣世帯との間の壁)や梁などのコンクリート躯体です。
古いマンションですと、間仕切壁の一部も共用部とされている場合もあります。
これらにはビス穴一つでも開けてはいけません。
そのため、工事内容によっては施工不可な可能性もあります。
以下のような工事は管理規約へ抵触するため、施工できません。
- 界壁に面した場所への手すり取り付け(ただし壁仕上げ材のみビスを開けるのであれば施工可能)
- 玄関ドアの取り替え、サイズ変更
その④ 専有部の配管・配線が古いままだと大掛かりになる可能性も
水回りなどを交換する場合、築年数の古いマンションですとかなり工事範囲が広がってしまう可能性があります。
隠蔽された給排水管や電気配線の更新がされていないと、それらも全て交換しなくてはいけない可能性があるからです。
その場合は、水回り以外の部屋の床や壁を解体する必要がありますし、排水管が下の部屋の天井裏を走っているスラブ下配管(階下配管)ですと、下の部屋の方にも協力してもらわなくてはいけません。
給排水館・電気配線共に15〜20年が寿命なので、それ以上の築年数である場合は、ある程度全体的なリフォームを検討することをおすすめします。
その⑤ 電気容量が上げられないので導入できない設備機器も
築30年を超えるマンションにありがちなのが、専有部の電気容量を上げられないというデメリットです。
建てられた当時の生活様式を設定してマンション全体の電気容量を決めているため、各戸がそれぞれ電気容量を上げてしまうと、総量オーバーとなってしまうからです。
マンションによっては、30Aまでと決められているところもあります。
そうなると、IHクッキングヒーターや浴室暖房機などが設置できないかもしれません。
これらの機器を導入したい場合は、電気容量の制限がないかを確認しておきましょう。
バリアフリーリフォームに関連する補助金・助成金は?
バリアフリーリフォームは、インテリアデザインなどを変える工事とは異なり、必要に迫られて行うケースが大半です。
そのため、様々な補助制度が設けられています。
介護保険制度
自治体から要介護などの認定を受けた場合、決められた条件を満たせばバリアフリーリフォームの工事費を補助してもらえます。
住宅改修費保険給付対象限度額の20万円を最大で支給されますが、工事費の1〜3割は自己負担しなくてはいけないため注意しましょう。
対象となる主な工事は以下の通りです。
- 手すりの取り付け
- 床の段差解消(スロープ設置・階段昇降機設置など)
- 床材の変更(滑りにくい材質や耐衝撃性のある床材への変更)
- ドアの取り替え
- 便器の取り替え(和式から洋式への変更など)
- バリアフリー工事に伴う付帯工事(壁下地の補強や設備工事・電気工事など)
〈詳しくはこちらをご覧ください〉
所得税の特別措置
ご自宅でバリアフリー工事をした場合、所得税の一部が控除されます。
個人が、自己が所有している居住用家屋について高齢者等居住改修工事等(以下「バリアフリー改修工事」といいます。)を行った場合において、当該家屋を平成26年4月1日から令和5年12月31日までの間にその人の居住の用に供したときに、一定の要件の下で、一定の金額をその年分の所得税額から控除(住宅特定改修特別税額控除)することができます。この控除は、住宅ローン等の利用がなくても適用できます。
- 介助用車椅子で移動するための通路・出入口の拡張
- 既存階段の撤去を伴う新規階段の設置(段差を緩やかにする工事)
- 介助するための浴室・トイレ床面積の増加
- 跨ぎ高さが低い浴槽への取り替え
- 固定式の移乗台や踏み台など浴槽の出入りを容易にする設備の設置
- 高齢者等の身体を洗いやすくするための水栓器具取り替え
- 和式トイレから洋式トイレへの取り替え
- 便座の位置を高くする工事
- 手すりの取り付け
- 床の段差解消(スロープ設置・階段昇降機設置など)
〈詳しくはこちらをご覧ください〉
国税庁|No.1220バリアフリー改修工事をした場合・住宅特定改修特別税額控除
固定資産税の減額
新築後10年以上経過した住宅に対して一定のバリアフリー改修工事を行った場合、 翌年度分の固定資産税から1/3が減額されます。
ただし、バリアフリー改修後の床面積が50㎡以上 280㎡以下であることや、65歳以上の高齢者もしくは要介護者が同居していることなどの条件はあります。
対象となる工事は以下の通りです。
- 介助用車椅子で移動するための通路・出入口の拡張
- 既存階段の撤去を伴う新規階段の設置(段差を緩やかにする工事)
- 介助するための浴室・トイレ床面積の増加
- 跨ぎ高さが低い浴槽への取り替え
- 固定式の移乗台や踏み台など浴槽の出入りを容易にする設備の設置
- 高齢者等の身体を洗いやすくするための水栓器具取り替え
- 和式トイレから洋式トイレへの取り替え
- 便座の位置を高くする工事
- 手すりの取り付け
- 床の段差解消(スロープ設置・階段昇降機設置など)
- 開き戸の引き戸や折戸への取り替え
- 開戸のドアノブをレバーハンドル等に取り替える工事
- 床材の変更(滑りにくい材質や耐衝撃性のある床材への変更)
〈詳しくはこちらをご覧ください〉
こどもエコすまい支援事業
こちらは、「開口部の断熱改修」「外壁、屋根・天井又は床の断熱改修」「エコ住宅設備の設置」のいずれかと併せてバリアフリーリフォームをした場合のみ補助を受けられます。
工事ごとにそれぞれ補助金額が決まっており、それらの合計が支給されます。
対象となるバリアフリー工事は以下の通りです。
- 手すりの取り付け
- 床の段差解消(スロープ設置・階段昇降機設置など)
- 廊下幅などの拡張
- 衝撃緩和畳の設置
〈詳しくはこちらをご覧ください〉
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まとめ
バリアフリーリフォームは、ご家族全員が笑顔で暮らせる住まいにするために必要な工事です。
ただし、とりあえず工事をすればいいという訳ではなく、被介護者の方に合わせたリフォームプランを立てなくてはいけません。
「何から始めればいいか分からない」という方は、ぜひ私たち“ライズクリエーションリノベ”へご相談ください。
今まで培った豊富な知識と経験を踏まえ、あなたの住まいに適したリノベーションプランをご提案します。
茨城県でリノベーションをご検討中の方は、どうぞお気軽にお問合せください。
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