耐震リフォーム・リノベーションの基礎知識|費用相場や補助金も解説

梁の耐震リフォーム工事

築年数が古い家のリフォームやリノベーションを検討するとき、耐震性について気になる方が多いようです。

地震が多い日本では建物の耐震性能が重要で、住まいの耐久性や安全性に大きく影響するポイントです。

しかし、どんなときに耐震リフォーム・リノベーションが必要なのか、どれくらいの費用がかかるのかなど、分からないことも多いですよね。

そこでこの記事では、耐震リフォーム・リノベーションを検討するときに必要な基礎知識を分かりやすくまとめます。

費用相場や耐震改修で利用できる補助金についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。

 

このコラムのポイント
  • 全面リフォーム・リノベーション、1981年以前に建てられた中古住宅の購入時など、耐震改修を検討すべきタイミングについて解説します。
  • 耐震リフォームにかかる費用はさまざまな条件で変動しますが、100~300万円が一般的な相場です。
  • 国や自治体の補助金制度を活用すれば、費用を抑えて耐震診断や耐震改修を行える可能性があります。

 

耐震リフォーム・リノベーションとは

耐震リフォームで筋交いを入れる大工

まずは、耐震リフォーム・リノベーションとはどのような工事のことなのか、目的や内容について覚えておきましょう。

耐震補強=建物の耐震性能を向上させること

耐震リフォーム・リノベーションは「耐震補強」とも呼ばれ、建物の耐震性能を向上させる工事のことを指します。

 

耐震補強工事の例 内容
壁の補強 壁の量やバランスの調整、耐力壁(筋交いや構造用合板など)の配置などで揺れに強くする。
基礎の補強 ひび割れの補修や鉄筋コンクリートの増し打ちなどで建物を安定して支えられるようにする。
柱・梁の接合部強化 木材の接合部分を金物で補強し、変形や倒壊を防ぐ。
屋根の軽量化 陶器瓦を金属瓦などに葺き替え、建物上部の重量を減らして揺れを軽減する。
劣化した構造部の補修 柱・梁・土台などの構造部が雨漏りやシロアリ被害で劣化・破損している場合、補修によって耐震性を回復させる。

 

耐震補強の工事は幅広く、一ヵ所だけ行うのではなく建物全体のバランスを考えながらプランを考えます。

まずは耐震診断を行って建物の構造や強度を分析し、複数の工事を組み合わせて地震に強い家をつくるのが一般的な流れです。

耐震リフォームとリノベーションの違い

耐震リフォームとリノベーションはどちらも建物の耐震性を向上させる工事ですが、意味が微妙に違います。

 

  • 耐震リフォーム:最小限の工事で現行の耐震基準に適合させる
  • 耐震リノベーション:耐震性を向上させつつ間取り変更などで新築時以上の機能や価値に高める

 

耐震リフォームは、建物の耐震性を現行の基準まで向上させるのが主な目的で、比較的小規模~中規模程度の工事を指すことが多いです。

一方耐震リノベーションは、耐震補強と同時に設備の入れ替えや間取り変更なども行い、新築時以上の住みやすさや機能を持たせる点が大きな違いです。

リフォーム・リノベーションは法律などによる明確な基準はありませんが、上記の大まかな違いを覚えておくとプランづくりの際に役立ちます。

耐震補強を検討すべきタイミングとは

スケルトンリフォームで耐震改修を検討する作業員

次のようなタイミングでは、リフォーム・リノベーションと同時に耐震補強を検討するのがおすすめです。

全面リフォーム・リノベーションをするとき

ご自宅や実家などの全面リフォーム・リノベーションをするときは、同時に耐震補強を検討しましょう。

耐震補強では天井・壁・床などの内装や、外壁・屋根などを一度解体して建物の構造部を工事する必要があります。

全面リフォームやリノベーションと同時に耐震補強を行うことで、内装や外装の解体・復旧に無駄な費用がかかるのを防ぐことができます。

また、耐震補強で建物の耐震性を高めることで、リフォーム・リノベーションした家に長く暮らせるのもメリットです。

建築図面のチェックや耐震診断などの結果、耐震補強が必要ないケースもありますが、大規模なリフォーム・リノベーションを行う際は同時に検討するのがおすすめです。

1981年以前に建てられた中古住宅を購入するとき

1981年の建築基準法改正以前に建てられた、「旧耐震基準」の中古住宅を購入するときも、リフォーム・リノベーションと同時に耐震補強を検討すべきタイミングです。

 

  • 旧耐震基準:震度5強程度の中規模地震で倒壊・崩壊しない耐震性能
  • 新耐震基準:震度6強~7程度の大規模地震で倒壊・崩壊しない耐震性能

 

新旧耐震基準は上記のように、想定する地震の規模と耐震性能の最低基準が異なります。

1981年以前に建築確認申請を受け、旧耐震基準で建てられている中古住宅は、大規模地震が発生したときに倒壊・損壊するリスクが高くなります。

耐震性能が低い中古住宅は、せっかくお金をかけてリフォーム・リノベーションしても、大規模地震が発生した際に住み続けられなくなる可能性があるのです。

築年数をチェックして旧耐震基準の可能性がある中古住宅は、耐震診断を受けて耐震改修を検討しましょう。

耐震リフォームの費用相場

耐震リフォームの筋交い追加

耐震リフォームにかかる費用は、建物の規模や状態、どれくらいの耐震性能を持たせるかなどによって変動するため、一概に相場を出すのは難しいです。

簡易的な補修や補強のみで100万円以下のケースもあれば、建物全体の耐震改修で200万円以上かかる可能性もあります。

日本木造住宅耐震補強事業者協同組合のアンケートによると、耐震補強の平均費用は167万円(中央値140万円)という結果が出ています。

参照:日本木造住宅耐震補強事業者協同組合 耐震補強工事の方法

 

しかし、国土交通省のモデルケースでは、築50年木造2階建て、延床面積100㎡の耐震改修では224万円かかるというデータも。

参照:国土交通省 住まいの耐震化

 

これらのデータを見ると、一般的な木造住宅の耐震改修は100~300万円程度が費用相場と言えそうです。

ただし、実際の費用はさまざまな条件で変動しますので、正確な金額は耐震診断を受けたうえで見積もりを出すのが確実です。

次の章で、耐震リフォーム・リノベーションの検討から工事までの具体的な流れをチェックしておきましょう。

耐震リフォーム・リノベーションの流れ

耐震リフォームの診断書

実際に耐震リフォーム・リノベーションを検討するときは、次のような流れになります。

耐震診断(現地調査)

まずは耐震診断によって現在の建物の耐震性を調査します。

具体的には、設計図面や修繕履歴などの確認、現地での目視調査などを実施し、建物の耐震性や劣化状態など診断します。

耐震診断の費用相場は、一般財団法人日本耐震診断協会によると、延床面積120㎡の木造住宅で60~100万円です。

ただし、実際の費用は診断内容や建物の規模によって異なるため、まずは近くのリフォーム・リノベーション専門店に相談してみるのがおすすめです。

参照:一般財団法人日本耐震診断協会 耐震診断費用の目安

診断結果をもとにプラン・見積もり作成

耐震診断によって耐震補強が必要なことが分かったら、具体的なプランや見積もりを作成します。

耐震リフォーム・リノベーションの場合は、耐震補強と同時に設備の入れ替えや間取り変更などのプランも作成します。

工事請負契約・補助金の申請

見積もりと工事内容が確定したら、工事請負契約書を交わし補助金を利用する場合は申請手続きも行います。

制度によっては、申請前に着工すると補助金を受けられなくなることがあるので注意しましょう。

耐震補強で使える補助金制度については、次の章で詳しく解説します。

着工~完了検査・引き渡し

無事に契約や補助金の交付決定を受けたら、あらかじめ決められたスケジュールに則って工事を進めます。

工事が終わったらお施主様立ち会いの上で完了検査を行い、保証書や耐震性能の証明書などを発行して引き渡しとなります。

耐震リフォームで使える補助金制度

補助金を活用した耐震リフォーム

2025年9月時点で、耐震リフォームに使える補助金制度をご紹介します。

全国共通で使える国の耐震リフォーム補助金としては、長期優良住宅化リフォーム推進事業があります。

 

補助金制度 内容 補助上限
長期優良住宅化リフォーム推進事業 耐震性・省エネ性・劣化対策など性能向上を伴うリフォーム 最大80~160万円

※条件により上乗せあり

 

長期優良住宅化リフォーム推進事業の必須工事には耐震性の向上が含まれていて、劣化対策や省エネ対策なども含めた全面リフォーム・リノベーションに活用できます。

こちらで長期優良住宅化リフォーム推進事業の適用条件や工事内容について詳しく解説しています。

〈関連コラム〉

長期優良住宅化リフォーム推進事業の補助金額や対象工事は?2025年版の条件について解説

 

また、耐震診断や耐震改修を行う建物がある自治体によっては、独自の補助金・助成制度を設けているケースも。

茨城県のつくば市・土浦市を例に挙げてみましょう。

 

自治体/制度 補助対象 補助額
つくば市/木造住宅耐震改修費補助制度 昭和56年5月31日以前に建てられた2階建て以下の木造住宅の耐震改修 耐震改修費用の4/5(上限100万円)
土浦市/耐震改修計画および耐震改修工事に係る事業費の助成 土浦市耐震診断士派遣事業により耐震診断を受けた30㎡以上の住宅で、上部構造評点が1.0未満の住宅 耐震改修費用の4/5(上限100万円)

 

それぞれ一定の条件はありますが、補助額が耐震改修にかかる費用の4/5、上限100万円と大きい制度です。

自治体によっては、耐震診断の費用を対象にしているケースもあります。

耐震リフォーム・リノベーションを検討するときに、お住まいの自治体の補助金制度をチェックしてみましょう。

茨城県の耐震リフォーム・リノベーションはライズクリエーションへ

リフォームやリノベーションを検討するときは、建物の築年数や状態に応じて耐震診断や耐震改修も検討しましょう。

特に築年数が古い建物は、耐震リフォーム・リノベーションによって寿命を延ばし、長く暮らせるようにするメリットが大きいです。

実際に耐震リフォーム・リノベーションを検討するときは、一戸建ての施工実績が豊富な会社に相談しましょう。

 

ライズクリエーションのリフォームスタッフ

茨城県つくば市・土浦市周辺で耐震リフォーム・リノベーションを検討の際は、ライズクリエーションにご相談ください。

経験豊富なスタッフがお客様のご自宅や購入予定の中古住宅をチェックし、耐震改修の必要性や具体的なプランをご提案いたします。

ぜひお気軽にお問い合わせください。

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監修者情報

ライズクリエーション編集部

株式会社ライズクリエーション ライズクリエーション編集部

株式会社ライズクリエーションは、「お客様とともに住まいづくりをする」という想いから、お客様に様々なご提案をさせていただき、住空間を楽しんでいただけるようなお手伝いをいたします。
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