中古住宅購入と同時リフォームで贈与税を節税する方法は3パターン|2,500万円の非課税枠を活用しよう
マイホームとして中古住宅購入と同時にリフォームする際、ある程度まとまった資金が必要になるためご両親からの資金援助を受ける方も多いです。
しかし、資金援助の方法や金額によっては贈与税がかかるケースもあり、リフォームに使える費用が減ってしまうのも心配です。
そこでこの記事では、親からの資金援助で中古住宅購入+リフォームをする際、贈与税を上手に節税する方法を解説します。
- 年間110万円以上の資金援助を受けてリフォームをすると贈与税がかかります。
- リフォームの贈与税を節税する方法は複数ありますが、中古住宅購入も含めるなら相続時精算課税がおすすめです。
- 相続時精算課税を使うと、リフォーム資金を2,500万円まで非課税で贈与することができます。
Contents
リフォームの資金援助には贈与税がかかる?
贈与税とは不動産・現金などの財産をもらったときにかかる税金で、リフォームのために110万円以上資金援助を受けると課税されます。
贈与税の計算方法の1つである暦年課税は基礎控除額が110万円あり、1年間で贈与した金額が超過すると課税される仕組みです。
基礎控除後の課税価格 | 特別税率/控除額 | 一般税率/控除額 |
200万円以下 | 10%/なし | 10%/なし |
400万円以下 | 15%/10万円 | 15%/10万円 |
600万円以下 | 20%/30万円 | 20%/25万円 |
1,000万円以下 | 30%/90万円 | 30%/65万円 |
1,500万円以下 | 40%/190万円 | 40%/125万円 |
3,000万円以下 | 45%/265万円 | 45%/175万円 |
4,500万円以下 | 50%/415万円 | 50%/250万円 |
4,500万円超 | 55%/640万円 | 55%/400万円 |
参照:国税庁 No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
暦年課税の税率は2種類あり、両親や祖父母など直系尊属からの贈与は特別税率、兄弟や夫婦からの贈与は一般税率が適用されます。パーセンテージは同じですが、一般税率の方が控除額は少ないため、同じ贈与額でも税金は高くなります。
仮に、親から1,500万円の資金援助を受けて中古住宅をリフォームする場合の税額を計算してみましょう。
- 1,500万円 - 110万円 = 1,390万円(基礎控除後の課税価格)
- 1,390万円 × 40% - 190万円 = 366万円(贈与税額)
両親から1,500万円の資金援助を受けると贈与税額は366万円、リフォームに使えるのは1,134万円になってしまいます。現金で資金提供を受けると、贈与税の負担はかなり大きくなりますね。
もらう金額が大きいほど税率が高くなり手元に残る資金が減ってしまうため、上手に節税してリフォームにかけるお金を残しましょう。
中古住宅購入と同時にリフォームで贈与税を節税する3つの方法
贈与税を節税する方法は、暦年課税・住宅取得等資金の非課税制度・相続時精算課税の3種類あります。
それぞれ特徴がありますが、中古住宅購入と同時にリフォームするなら相続時精算課税を利用するのがおすすめです。
詳しい内容を1つずつチェックしていきましょう。
暦年課税
前述したように暦年課税には年間110万円の基礎控除額があり、その範囲内で贈与すれば税金はかかりません。
つまり、毎年110万円以内で資金援助を繰り返せば、贈与税を支払わずに済みます。基礎控除以内の贈与は申告が不要なため、手間がかからないのもメリット。
ただし、中古住宅購入+リフォーム費用でまとまった額の資金援助受ける場合、かなりの時間がかかるのがデメリット。仮に1,000万円の援助を受ける場合、10年間もかかってしまいます。
また、税務署から「連年贈与」とみなされると、合計金額に対して課税されてしまう可能性もあります。小額リフォームなら効果的な方法ですが、中古住宅購入も含めて大きな金額を贈与するのには向いていないでしょう。
住宅取得等資金の贈与税の非課税制度
中古住宅購入と同時にリフォームする場合、住宅取得等資金として申告することで贈与税が非課税となる制度もあります。
対象となるのは父母や祖父母など直系尊属からの贈与で、中古住宅取得やリフォームのための資金も含まれます。
非課税限度額は省エネ等の基準を満たす住宅で1,000万円、それ以外の住宅は500万円と、暦年課税よりはまとまった金額の贈与税を節税できます。暦年課税の基礎控除110万円と併用できますが、それでもその他の住宅の非課税限度は610万円。中古住宅購入+リフォームだと少し心もとない金額ですね。
相続時精算課税
中古住宅購入+リフォームでまとまった資金を贈与する場合、相続時精算課税制度を活用するのがおすすめです。
相続時精算課税制度は合計2,500万円までの贈与が非課税になり、将来の相続時に相続税を納める仕組みです。ほかの方法より非課税枠が大きいため、中古住宅購入+リフォームにピッタリと言えるでしょう。
贈与者が亡くなった時点で贈与額と相続財産を合計し相続税として納税することになりますが、マイホーム取得時の税負担を繰り延べできるのはうれしいですね。
相続時精算課税の適用条件
相続時精算課税は、贈与する人とされる人に適用条件があるので確認しておきましょう。
- 贈与する人:贈与をした年の1月1日において60歳以上の父母または祖父母など
- 贈与される人:贈与を受けた年の1月1日において18歳以上の直系卑属(子や孫など)
贈与する人、される人の関係は直系尊属に限られ、年齢制限があるので要注意。ほかに財産の種類や回数に制限はないので、関係性と年齢さえクリアできれば活用しやすい制度です。
また、相続時精算課税を適用するためには、贈与を受けた年の翌年2月1日~3月15日の間に相続税の申告書を提出する必要があります。提出が漏れると贈与税が課税されてしまうため、中古住宅購入やリフォーム計画と一緒にスケジュールを組んで忘れないようにしましょう。
相続時精算課税のメリット
相続時精算課税は一度に大きな金額を贈与でき、累計2,500万円に達するまで何回でも非課税になるのが大きなメリットです。
また、贈与者ごとに相続時精算課税を選択できるため、仮に父・母それぞれから贈与を受ける場合最大5,000万円まで非課税枠を利用できます。
また、贈与額が非課税枠を超えた場合の税額は一律20%なので、金額によっては暦年課税より負担を抑えられる可能性もあります。相続時精算課税で繰り延べした税金は将来相続税として納める必要がありますが、基礎控除の範囲内なら課税されないのも大きなメリット。相続税の基礎控除額は(3,000万円+600万円×法定相続人の数)で、相続する財産が超えなければ相続税が発生しません。
相続時精算課税のデメリット
相続時精算課税は暦年贈与とは併用できず、非課税枠の2,500万円の上限に達した後は贈与税が発生するのがデメリット。一度相続時精算課税を使うと暦年課税には戻れないため、長期的に生前贈与を進める予定があるならよく考える必要があるでしょう。
また、累計贈与額が2,500万円以内でも、基礎控除の110万円を超えた分は贈与税の申告が必要になります。書類作成や申告の手間がかかり、漏れてしまうと贈与税が課されるので注意しましょう。
まとめ
両親からの資金援助を受けて中古住宅を購入し、同時にリフォームする場合は、相続時精算課税で贈与税の負担を抑えましょう。
最大2,500万円の非課税枠で贈与税を繰り延べでき、相続時の状況によっては相続税も節税可能です。100万円単位で税負担が変わりますので、リフォームやリノベーションに資金をかけて充実したマイホームづくりが可能になります。
相続時精算課税を活用して中古住宅リフォームする際は、ノウハウがあり適切なアドバイスができる施工会社のサポートを受けることも大切です。
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