グリーンリフォームローンとは|融資限度額や利用条件、メリット・デメリットまで解説
「省エネリフォームを行いたいが、費用面が気になる」とお悩みの方におすすめなのが、グリーンリフォームローンです。
グリーンリフォームローンを利用すれば、省エネリフォームを行う際に最大500万円の融資を受けることができます。
そこで本記事では、グリーンリフォームローンとは何か、利用条件やメリット・デメリットまで詳しく解説します。
・無担保・無保証・融資手数料無料で、省エネリフォームと同時に行えば他のリフォームも融資対象となります。
・グリーンリフォームローンは、融資対象の住宅や工事に条件があるため注意しましょう。
Contents
グリーンリフォームローンとは
グリーンリフォームローンとは、住宅の断熱改修、省エネ設備の導入などに利用できる住宅ローンの一種です。
グリーンリフォームローンの対象となる工事例は、次の通りです。
- 窓・ドア・壁・天井・屋根・床などの断熱性能向上工事
- 太陽光発電設備や太陽光利用設備の設置工事
- 高効率給湯器や高断熱浴槽、コージェネレーション設備の設置
上記のような省エネリフォームを検討している場合、グリーンリフォームローンを利用できる場合があります。
融資額は最大500万円で、全期間固定金利を採用しており、返済期間中(最長10年)で金利が変わりません。
融資手数料無料・無担保・無保証での借入が可能であるほか、高齢者向けの返済特例も用意されています。
グリーンリフォームローンの種類
グリーンリフォームローンには、通常のローンとグリーンリフォームローンSの2つが用意されており、それぞれで省エネ水準や金利が異なります。
比較項目 | グリーンリフォームローン | グリーンリフォームローンS |
対象リフォーム | 省エネ基準を満たす断熱改修工事
省エネ設備設置工事 |
ZEH(ゼッチ)水準の断熱改修工事 |
省エネ水準 | 一定の省エネ基準 | ZEH水準(より高度な省エネ基準) |
適用金利 | 1.20〜1.64%
高齢者向け返済特例は3.40%(※1) |
0.90〜1.34%
高齢者向け返済特例は3.10%(※2) |
※1,2 出典:【グリーンリフォームローン】金利のお知らせ|住宅金融支援機構
より省エネ水準の高い住宅へとリフォームする場合、金利の低いグリーンリフォームローンSを利用可能です。
グリーンリフォームローンの融資限度額と返済期間
グリーンリフォームローンでは、次の1から3までのいずれか低い額が融資限度額となります。
- 500万円
- 省エネリフォーム工事費の2倍
- リフォーム工事費
返済期間は最大10年間で、親子リレー返済の利用も可能です。
また、1番の融資限度額500万円に関しては、令和7年10月の申込分から1,000万円へと変更されることとなりました。
これにより、大規模な省エネリフォームを検討されている方も、グリーンリフォームローンにより資金不足のリスクを軽減できます。
グリーンリフォームローンの利用条件
グリーンリフォームローンを利用するには、申込者や住宅、工事内容に関する条件を満たす必要があります。
ここからは、それぞれの条件について確認していきましょう。
申込者の条件
グリーンリフォームローンの借入申込者は、次の1から4のすべてを満たす必要があります。
1.対象住宅に機構が定める省エネリフォーム工事を行う方
グリーンリフォームローンを申し込むには、対象となる住宅に省エネリフォームを行う必要があります。
- 自ら居住する住宅
- 週末などに自ら利用する住宅(セカンドハウス)
- 親族が居住する住宅
この条件における親族とは、申込者ご本人、あるいはその配偶者の直系親族を指します。
直系親族がいない場合は、申込者ご本人、あるいはその配偶者の3親等以内の血族、および3親等以内の姻族の方まで(兄弟姉妹やおじ、おば、めい、おいなど)が対象です。
婚約者・内縁関係・同性パートナーの方は、親族の対象とはならないため注意しましょう。
2.借入申込時の年齢が満79歳未満の方
グリーンリフォームローンは、満79歳未満でなければ申し込めません。
借入申込時の年齢が満79歳以上の場合、親子リレー返済であれば利用可能です。
3.総返済負担率の基準を満たす方
グリーンリフォームローンを申し込むには、年収における総年間負担率に関し、次の基準を満たしていなければなりません。
- 年収が400万円未満の場合は30%以下
- 年収が400万円以上の場合は35%以下
申込者ご本人の収入だけでは基準を満たせない場合、同居予定者等の収入を合算することで、申込が可能となる場合もあります。
4.日本国籍の方または永住許可などを受けている外国人の方
日本国籍でなくても、在留資格欄に「永住者」あるいは「特別永住者」と記載のある外国人の方は、グリーンリフォームローンを申し込むことができます。
住宅の条件
自らが居住する住宅、あるいはセカンドハウスにおける工事でグリーンリフォームローンを利用する場合は、次のいずれかに該当する方が所有/共有している必要があります。
- 申込者本人
- 申込者本人の配偶者等
- 申込者本人の親族(配偶者以外)
- 申込者本人の配偶者の親族
一方、親族が居住する住宅における工事でグリーンリフォームローンを利用する場合、次のいずれかに該当する方が所有/共有している必要があります。
- リフォーム後の住宅に入居する親・子
- リフォーム後の住宅に入居する親・子の配偶者
- 申込者本人、あるいはその配偶者
- 上記に該当する方々の親族(配偶者以外)
すでに省エネリフォーム済みの住宅、住宅部分のない建物は対象外となるため注意しましょう。
工事内容の条件
グリーンリフォームローン、グリーンリフォームローンSを利用する場合、次の対象工事を行う必要があります。
グリーンリフォームローンの対象工事
グリーンリフォームローンを申し込むには、省エネ基準を満たす断熱改修工事、あるいは省エネ設備設置工事が必須工事とされています。
具体的な工事内容は、次の通りです。
- 断熱改修工事:窓やドアの断熱化、壁・天井・床の断熱材設置など
- 省エネ設備設置工事:高効率給湯器、太陽光発電設備、太陽熱利用設備、高断熱浴槽、コージェネレーション設備などの設置
また、上記の省エネリフォームと同時に行ったその他のリフォーム工事も融資対象となりますが、融資上限は省エネリフォーム工事費と同額までに制限されているため注意しましょう。
グリーンリフォームローンSの対象工事
リビングなど、住宅内の一つの区画をZEH水準にする断熱改修工事を行う場合、グリーンリフォームローンSの対象となります。
具体的な工事内容は次の通りです。
- 区画内の外気に接するすべての窓・ドアの断熱改修
- 区画内の外気に接する壁・天井・屋根・床のいずれかの部位全体の断熱改修
上記の工事を行うことによって、区画内の外気に接するすべての開口部、あるいは工事箇所の部位全体の外皮性能がZEH水準を満たす場合、グリーンリフォームローンSの対象となります。
グリーンリフォームローンのメリット
グリーンリフォームローンのメリットは、次の通りです。
無担保・無保証・融資手数料無料
グリーンリフォームローンは、担保や保証人が不要なだけでなく、融資手数料もかかりません。
手続きの手間や初期費用を抑えることができるため、一般的な住宅ローンよりも利用しやすいといえます。
全期間固定金利で安心
グリーンリフォームローンは、返済期間を最長10年間に設定でき、全期間固定金利が採用されています。
そのため、借入申込時の金利から変わることがありません。
金利上昇による影響を受けないため、収支計画を立てやすくなります。
最大500万円まで融資可能
グリーンリフォームローンでは最大500万円まで融資可能なため、戸建ての大規模な断熱改修であっても、資金不足のリスクを軽減できます。
10万円以上であれば1万円単位で借入できるため、窓の断熱リフォーム、天井の断熱リフォームなど、部分的に改修したい場合にもおすすめです。
また、令和7年10月の申込分からは最大1,000万円へと変更になるので、より幅広いリフォームに対応できます。
省エネリフォームと同時に行えば他のリフォームも対象
グリーンリフォームローンでは、省エネリフォームと同時に行ったその他のリフォームについても融資対象となります。
水回りの改修や内装リフォーム、外壁塗装など、省エネリフォーム以外も検討されている方にとって大きなメリットです。
高齢者向け返済特例も利用可能
満60歳以上の方がグリーンリフォームローンを利用する場合、高齢者向け返済特例が適用されます。
毎月の返済が利息のみとなるため、年齢や収入を理由にローンの借り入れが難しかった方も利用しやすい点がメリットです。
元金は相続人による一括返済/担保物件の売却によって返済されることとなりますが、売却代金が残債に満たない場合でも、相続人の追加負担はありません。
グリーンリフォームローンのデメリット
グリーンリフォームローンを利用する場合、次の3点に注意が必要です。
融資対象の住宅や工事に条件がある
グリーンリフォームローンでは、融資対象の住宅や工事内容、申込者の年齢など、さまざまな条件が設けられています。
すべての条件を満たさなければ、省エネリフォームであっても融資対象となりません。
例えば、すでにリフォームが完了している場合や、住宅部分のない建物は対象外となるため注意しましょう。
市場金利が下がった場合でも返済額が減らない
グリーンリフォームローンは全期間固定金利のため、借入申込時から金利が変わらないのが特徴です。
金利変動の影響を受けず、収支計画を立てやすいのはメリットですが、市場金利が下がった場合も返済額が減りません。
金利の動向によっては、変動金利型のローンの方が返済額を抑えられる可能性があります。
高齢者向け返済特例は金利が通常より高い
高齢者向けの返済特例は、通常のグリーンリフォームローンより金利が高いため注意しましょう。
令和7年3月現在の金利で比較した場合、通常のグリーンリフォームローンは年1.50%であるのに対し、高齢者向け返済特例は年3.40%です(※)。
返済は利息分のみではあるものの、総返済額が増えてしまうので、相続人による一括返済時に影響が生じます。
※出典:リフォームに省エネという選択【グリーンリフォームローン】高齢者向け返済特例|住宅金融支援機構
グリーンリフォームローンはどのような人におすすめか
グリーンリフォームローンは、次の特徴に該当する方にとくにおすすめの住宅ローンです。
- 自分や親族が住む住宅、あるいはセカンドハウスの省エネリフォームを検討している
- 借入申込時の年齢が満79歳未満(親子リレーローン利用時は79歳以上も可)
- 融資手数料無料・無担保・無保証でリフォームローンを利用したい
- 住宅の資産価値向上や光熱費削減を目指したい
一般的なリフォームローンより条件がいい場合もあるため、住宅の省エネリフォームを行う方は、グリーンリフォームローンへの申込を検討してみましょう。
まとめ
グリーンリフォームローンは、省エネリフォームを行いたいものの、資金不足でお悩みの場合におすすめの住宅ローンです。
省エネリフォームと同時に行えば、その他のリフォームまで融資対象となるため、家全体を大規模改修したい場合も助かります。
リフォームを検討中ではあるものの、資金面でお困りの際には活用してみましょう。
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